めちゃくちゃ頑張って部屋をきれいにした、お掃除苦手なニガテさん。
きれい好きで、いつも部屋がきれいなキレイさん。
キレイさんは、ニガテさんの憧れです。
でもニガテさんは一時的に頑張ることはできても、ず~っと頑張り続けることができません。
生きていれば、他に頑張らなければいけないことがたくさんありますからねぇ。
だから油断すると、すぐにリバウンドしてしまいます。
それなのにキレイさんの家は、いつもきれいに保たれている!
もしかしてキレイさんは、部屋をきれいにすることに命を懸けているのでしょうか!?
いえいえ、そんなことはありません。
キレイさんは、ご飯を食べたり歯磨きしたりするのと同じように、掃除や片づけが習慣化されています。
何かこぼれたらすぐに拭く、何か着いたらすぐに取るといった条件反射が、染みついているのです。
だからキレイさんは、何か特別なことをしているという意識がありません。
でも、ニガテさんにとって掃除は一大イベント!
ものすごく頑張らないと、できません。
ここが、キレイさんとニガテさんの大きな違いです。
ニガテさんが、キレイさんのようになるには、どうすればいいのでしょうか?
それは、自転車に乗る練習をするのに似ています。
何度も失敗しながら、一所懸命練習してできるようになるのです。
でも、一体どうやって何を練習すればいいのでしょう?
まず、肝に銘じてほしいのは、
「キレイさんの辞書に、『そこらへんに置く』という文字はない」
ということです。
これを踏まえて、日常の生活を見直してみましょう。
例えば朝食を食べた後のテーブルに、パンくずがこぼれていたとします。
キレイさんなら、食器を片づけるついでにサッと取ってしまいます。
でもニガテさんは、今そこにパンくずがあっても困らないから、片づけるのは後にしようと放置してしまいます。
ここで先ほどの言葉を思い出してみましょう。
「キレイさんの辞書に、『そこらへんに置く』という文字はない」
そこにあるパンくずは、そこらへんに置かれた状態です。
そして困ったことに、放置された状態が続いてしまうと、それが当たり前の景色になってしまいます。
テーブルに散らばったパンくずは、「片づけなければならないもの」として認識されなくなってしまうのです。
このように、リバウンドの種になってしまいそうなものが、部屋のそこここで芽を出してしまいます。
ニガテさんは、リバウンドの種を見つけて、その芽を摘む訓練が必要です。
その訓練法とは…!
そこらへんに置かれたものを、何か一つ手に取ってみてください。
そして、考えてください。
「この子のおうちは、どこかしら?」
おうちとは、つまり収納場所です。
この子は、ここにあるべきものでしょうか?
どこか本来の別の場所にあるべきものではありませんか?
そこらへんに置かれたものは、迷子の子ねこちゃん状態です。
おうちに帰りたくて泣いていますよ。
家族も心配しています。
早くおうちへ帰してあげましょう。
空き缶のおうちは、洗って分別ごみ。
調味料のおうちは、スパイスラックや冷蔵庫。
本のおうちは本棚です。
あなたは持ち主として、この子たちをおうちへ帰す義務があります。
もう迷子の子ねこちゃんはいませんか?
ついうっかり、そこらへんに置いてしまったものが、おうちに帰りたくて泣いていると思えば、片づけずにはいられませんよね。
部屋に迷子の子ねこちゃんがいないか、見つけるクセをつけてください。
こうして、ニガテさんの辞書から「そこらへんに置く」という文字を消していきましょう!
でもおうちがない子が出てくるかもしれません。
そんな新しいおうちを用意するのではなく、思い切ってお別れしましょう。
おうちがない子がいるってことは、おうちが足りない状態も考えられますが、使っていない子たちが多いことも考えられます。
使っていない子やまだまだ使える子とお別れは悲しいですし、勿体ないですよね。
その気持ちをわすれないでください!
ものを買いたくなった場合は、買うに収納場所の事をどこにするか考えてから増やしましょう。
おうちがないと「そこらへんに置く」ことになっていまいます。
そこらへんに置かれたものが無くなれば、ニガテさんはかなりキレイさんに近づいてきます。
そこで、次のステップへ進むことにしましょう。
迷子の子ねこちゃんがいなくなった部屋は、スッキリして見えるでしょう?
でも、まだキレイさんに追いつけない何かがあります。
それは、掃除をすることです。
すべてを、毎日、こまめに。
…なんて言ってしまうと、ニガテさんはもう
「ムリムリムリムリー!」
と叫んでしまうことでしょう。
当然ですよ。
だって、まだキレイさんのように掃除が習慣化されていないのですから。
いきなり毎日こまめに掃除するなんて、ニガテさんにとってはとても難しいことです。
でも、これならどうですか?
「毎日、1分だけ、どこか1か所」
これは掃除を習慣づけるための訓練ですから、ある程度は頑張る必要があります。
でも、ニガテさんが「絶対ムリ」と思ってしまったら、頑張れませんよね。
だから、「毎日やる」というところだけを頑張って、あとは1分だけ、ちょっとしたところを1か所掃除します。
例えば、…
今日は掃除機1分、廊下だけ。
明日はコロコロ1分、ラグマットだけ。
明後日は拭き掃除1分、鏡だけ。
こんな風に、短い時間狭い範囲だけでも、「毎日やる」というクセをつけましょう。
ここまで実際にやってみると、ニガテさんも気付くと思います。
迷子の子ねこちゃんたちがいない部屋は、とても掃除がしやすい!
ごちゃごちゃしたものを片づける手間がいらない。
ニガテさんが掃除を、大変な一大イベントに感じてしまう原因のひとつが、部屋中に散らばった迷子の子ねこちゃんです。
子ねこちゃんがいなければ、1分だけでも広い範囲の掃除ができます。
今まであんなに頑張らなければいけなかった掃除が、ササッと簡単にできるんです。
そのうちに、
「あれ、今日の1分間の掃除、もうやっちゃった!?」
といった具合に、意識しなくてもできるようになります。
きれいなのが当たり前になり、迷子の子ねこちゃんが1匹出てくると、すぐに気づきます。
そして、部屋をきれいに維持することが、とても簡単に思えるのです。
特別なことを、何もしなくても…。
キレイさんが言っていましたね。
部屋をきれいにするために、どんな事をしているのか。
「特に何もしていない…」と!
ニガテさんもキレイさんのようになれるのです!
そのために、迷子の子ねこちゃんをおうちへ帰す訓練と、1分掃除を習慣化してください。
これが習慣になれば、まるで自転車を乗りこなすように、キレイが当たり前になります。
たまにリバウンドしても、大丈夫。
また、迷子の子ねこちゃんを探すところから始めればいいのです。
しばらく自転車に乗っていなくても、ペダルを踏めばすぐに走れるのと同じです。
「特に何もしていない」という感覚を一度味わったあなたなら、できますよ。
もうあなたは、キレイさんの仲間入りです。
※続きの「お掃除上手なキレイさんは、大掃除しない!? ニガテさんをキレイさんにする方法(その2)」はこちらから