頑固な汚れも落とせるのでお掃除でクレンザーを使っている方も多いのではないでしょうか。
ただクレンザーは使い方を間違えると、傷だらけにしてしまうといったデメリットもあることをご存じですか。
クレンザーは、研磨剤と界面活性剤を混ぜた洗剤ですが、クリーム系や粉末系、ペースト系など多くの種類で販売されています。
今回はクレンザーについて話してきたいと思います。
クレンザーは、液体(クリーム)・粉末・ペースト状の3種類あります。
この3種類のほかにクレンザーの中にどんな研磨剤が入っているかによって、汚れ落としの効果は大きく変わります。
最も一般的なクレンザーです。スーパーやドラッグストア、100円ショップで購入することができます。
白い容器に入っていることが多く、クリームクレンザーという名前で販売されています。
中に入っている成分の割合は、20~50%程度が研磨剤です。液体(クリーム)の中に入っているので優しく磨けることが特徴です。
「カネヨン泡立ちクレンザー」や「ニューホーミング(販売終了)」など、金色の筒で販売されていますので、見たことがある方も多いのではないでしょうか。
クリームタイプと異なり、成分のほとんど(約90%)が研磨剤です。
頑固な汚れや固い素材に対しては有効ですが、場所によっては傷だらけになってしまいます。
良く落ちると話題となった、100円ショップで販売されている多目的クレンザーなどです。
このペースト状のクレンザーは、クリーム系よりも頑固な汚れに強く、粉末よりも滑らかに汚れが取れる特性を持っています。
多目的クレンザー以外にも昔からある「ハイホーム」もペーストタイプのクレンザーです。
研磨剤の種類は多数あり、家庭用で使うものから工場や工事現場で使うものまで、種類と用途は様々です。
紙やすりの表面についている固いツブツブも研磨剤の一種です。
硬貨を磨くと新品同様にピカピカすることができる『ピカール液』は、アルミナ系鉱物が含まれています。
アルミナとは宝石のサファイア並みの硬さを持っているので、少量とはいえとても固い研磨剤が、金属でできている硬貨を新品同様にピカピカにすることができるのです。
しかしものすごく硬いため、樹脂でできる浴槽や陶器の洗面器や便器、鏡など使用箇所を間違えてしまうと傷だらけになってしまい取り返しのつかない事になるので注意してください。
家庭用のクリームクレンザーや粉末のクレンザーの研磨剤には炭酸カルシウム系鉱物が使われています。
炭酸カルシウムは、貝殻や卵の殻、石灰石、大理石、チョークなどの主成分で比較的柔らかい鉱物です。
その鉱物が液体の中に入っているため、摩擦力が低下するので、傷を付けずに汚れを落とす事ができます。
ちなみに水垢も炭酸カルシウムが主成分です。水垢を落とそうとクレンザーを使っても落とせないのは同じ成分同士でこすっているからです。
ハイホームはケイ酸系鉱物を主成分の研磨剤です。ケイ酸系鉱物は、炭酸カルシウム系鉱物よりも硬く頑固な汚れに適しています。
また使用されている界面活性剤は純石鹸成分なので、手にも優しい特徴があります。
◆メラミンスポンジも研磨剤
激落ちくんでお馴染みの【メラミンスポンジ】も研磨剤の1種と言えます。
スポンジといわれていますが、原料はメラミン樹脂です。
メラミン樹脂が何か知らない方もいらっしゃると思いますので、代表的な使用例を挙げますと食器にも使われています。
特に落としても割れないようにするために、お子様用のプレートやフォーク、スプーンにも使われています。
そのメラミン樹脂をミクロン単位で発砲させてスポンジにしたものです。細かいプラスチックで汚れを擦っているようなことですので、洗うものがプラスチック製品であったり、塗装面であったりすると、傷が付いてしまう可能性が高く、実は取り扱い注意なスポンジといえます。
クレンザーの使用方法ですが、まずクリームクレンザーを洗浄物に直接つけて、ゴム手袋をしてそのまま擦るか、食品用ラップを丸めて擦るか、場所によってはアルミホイルを丸めて擦ります。
なぜこんな変わった方法をするのかというと、クレンザーは主成分の研磨剤の力を使って汚れを削りとるのが本来の役割だからです。
ですので、雑巾やスポンジを使って擦ると、研磨剤の大半はスポンジや雑巾の中に潜り込んでしまい、わずかな研磨剤と界面活性剤で汚れを落とす事になります。この状態では、研磨剤の力を発揮できないため、思ったよりも効果がないと感じる場合があります。
研磨剤の力を十分に発揮できるようにゴム手袋をした手や、食品用ラップを丸めて擦るなど、研磨剤を吸収してしまわない様な工夫が必要となります。
粉末タイプのクレンザーは、研磨剤そのもので磨くともいえますので、水を使って滑りをよくしたり、スポンジなどで吸収することをおススメします。
研磨剤より硬いステンレスやガラスに使用する場合は、そのまま使っても問題ありません。ただし、研磨剤が炭酸カルシウム系の比較的柔らかい研磨剤の粉末クレンザーでお願します。
ペーストタイプのクレンザーは、クリームタイプや粉末タイプのクレンザーよりも硬い研磨剤が使われています。
ですので、ゴム手袋に少量とって、そのまま擦ると場所によっては傷になったり、逆にくすんだりしてしまう場合があるので、クロスなどに少量とって、対象物を濡らしてからこすってください。
汚れが取れないようであれば、濡らさずにクロスをこすります。
「ハイホーム」・「多目的クレンザー」
ステンレス製のシンクには「ハイホーム」や「多目的クレンザー」などのペースト状のクレンザーがおススメです。
硬めの研磨剤が汚れを削り取ってくれます。クロスにペースト状のクレンザーを少量とってこすってください。
クロスが黒っぽく汚れると思いますが、目に見えない程度で汚れを削るのと同時にステンレスを磨いている証拠です。
ハイホームと多目的クレンザーの違いは、ハイホームの方が入っている研磨剤の割合や容量が多く高額になりますので、
たくさん使いたい方はハイホームを、お試しで使いたい方は多目的クレンザーを選んでください。
『茂木和哉 水アカ洗剤』
テレビや雑誌に取り上げられた回数も多いので、ご存じの方もいらっしゃるでしょう。
大手通販サイトではあまり評価が高くありませんが、恐らく使い方を間違えているのだと思います。
ゴム手袋をして、その手に「茂木和哉 水アカ洗剤」を少量とって、そのまま鏡や蛇口をこすってください。
水垢が取れると感触が変わると思います。
色々な場所に使用できると書いてありますが、蛇口や加工をしていない鏡の水垢落としでの使用をおススメします。
「カネヨンS」「ホーミング」などクリームクレンザー
IHクッキングヒーターは使っていると、茶色く鍋の跡が出来てしまい、放っておくと黒く中々取れない汚れになってしまいます。
そんな汚れには、クリームクレンザーを使ってください。直接クリームクレンザーを少量つけて、ラップやアルミホイールを丸めたもので、ひたすらこすります。
白いクリームが徐々に色が変わっていくのがわかるはずです。
クリームクレンザーでも「ジフ」は研磨剤の含有量が少ないので、あまりおススメはできません。
クリームクレンザーをあまり使ったことが無い方には、研磨剤の含有量が少なく優しいクレンザーですので「ジフ」から使ってみるのもいいと思います。
「カネヨンクレンザー」「ニューホーミング」など粉末クレンザー
五徳や鍋についてしまった焦げ付きは非常に頑固な汚れです。
こびり付いてしまって素材がある程度硬いものには、粉末クレンザーを使いましょう。
どの種類のクレンザーも、中に入っている研磨剤の力を使って物理的に汚れを削り落とすことを目的とした洗剤です。
油汚れ用のアルカリ性洗剤や尿石や水垢を落とす酸性洗剤は、汚れを洗剤の力で中和させることで落とすので、使い方が違います。
ですので同じように使っていたら、おもったほどの効果が出ないのは当然です。
どのクレンザーも木材系には使用できません。また光沢のある樹脂なども光沢が無くなってしまうので使用は控えてください。
使い方を間違わなければ、今まで落とせなかった油汚れも、水垢も落とす事ができますので、
正しい使い方で、ピカピカに磨いてみてください。