ご家庭についているエアコンは壁掛けタイプが一般的です。しかし、最近は家庭用天井埋め込みエアコンを一般住宅の部屋に設置するケースが増えています。
一体、どんな理由で家庭用天井埋め込みエアコンを導入しているのでしょうか?
そこで、今回は家庭用天井埋め込みエアコンの概要や壁掛け形エアコンとの比較、そのメリット・デメリットについて紹介します。
家庭用天井埋め込みエアコンについてその特徴や壁掛け形エアコンとの違いなどについて説明します。
家庭用天井埋め込みエアコンは、横の壁に設置するのではなく、名前の通り真上の天井に埋め込むように設置するタイプのエアコンです。
天井埋め込み式や天井カセット式などと呼ばれ、店舗の空調は業務用の天井埋め込み式エアコンが使われている場合が多く、お店に行った際に天井を見上げれば、業務用の天井埋め込みエアコンを確認できます。
一方向からしか風を出せない壁掛け形エアコンとは違い、家庭用天井埋め込みエアコンは1方向や2方向、4方向と風が出る方向の数を選べます。
壁掛けタイプは、どうしても壁面に設置し、エアコンが飛び出るようになってしまいますので、マイホームの新築や分譲購入の際に、インテリアを重視した開放感のある家にすると壁掛けタイプのエアコンは似合いません。
家庭用天井埋め込みエアコンを設置することで部屋全体の家具や小物、そのこだわった配置による魅力が引き立ち、そのような理由から天井埋め込みエアコンを選ぶ方が増えてきています。
「家庭用」と付いているように、風量や機能性の高い業務用に比べて、一般家庭に使いやすいグレードの製品です。馬力(家庭用は1~3馬力)も業務用ほど高くありません。
現在はまだ、業務用の方が多く流通しています。ほとんどの家庭では、壁掛け形エアコンを今も使っているのも事実です。
しかし、この先、新築やリフォームに対する考え方が変わり、家庭用天井埋め込みエアコンが今後も増えていくでしょう。
上記の理由から、ハウスクリーニング業界でも、家庭用天井埋め込みエアコンのクリーニング件数は増えてきています。
天井埋め込みエアコンは、種類やサイズに関係なく、すべて同じ天井に設置するエアコンです。ところが、製品名は別の名称が使われていたりします。メーカーの事例などを紹介しましょう。
埋め込みエアコンのことを「天井ビルトインエアコン」(パナソニック)あるいは「天井埋め込みカセット形エアコン」(ダイキン)と呼びます。
エアコンクリーニング業者は天井埋め込みエアコンの事を略して「天埋」や「天カセ」など略して呼ぶこともあります。
家庭用天井埋め込みエアコンを指す時は、「ハウジングエアコン」として紹介することがよくあります。
いわゆる家庭用壁掛け形エアコンを「ルームエアコン」と呼ぶのに対して、家庭用天井埋め込みエアコンを「ハウジングエアコン」としているのです。
確かに、家庭用天井埋め込みエアコンは、部屋の規模ではなく住宅の規模で設置するケースが多いでしょう。狭い部屋には設置できないので、ある程度の広さを前提としたエアコンです。
風を流す向きとして、「1方向・2方向・4方向」の3タイプの風向(機能)のいずれかが製品には組み込まれています。
風の方向は、設置場所の目安として使われます。2方向なら天井の隅に設置する、2方向や4方向なら部屋の天井中央に設置するなどです。一般住宅の1室に家庭用天井埋め込みエアコンを導入するなら2方向が多いでしょう。
ちなみに、2方向や4方向の「天井埋め込みカセット形エアコン」を指す時はその長い名称を省略して、「天カセ2」や「天カセ4」と呼ぶことがあります。
ここで一点、エアコンの風が部屋全体を包むことから、エアコン本体のお掃除だけでなく、部屋全体のハウスクリーニングも必要です。
天井は掃除がおろそかになることも多く、特に部屋全体のほこりや汚れに気をつけましょう。
壁掛け形エアコンではなく、天井埋め込み形のエアコンを設置するメリットがあります。
家庭用天井埋め込みエアコンは、横壁に設置しない分だけ圧迫感がなく、一般的な部屋に設置してもスタイリッシュさを維持できることでしょう。
壁掛け形エアコンではインテリアに角ばったエアコンがあると外観に異物が混じって雰囲気を台無しにしてしまいます。
場合によっては、電源や配管が丸見えなケースもあるでしょう。それが天井で目立たない形に収まることで、外観を崩さず、どんなインテリアにも対応するのです。
部屋の冷暖房は、光熱費の最大のネックです。家庭用天井埋め込みエアコンを採用することで、空気の流れを同時に別方向に向けます。
これにより、効率的に部屋全体を冷やして、あるいは暖めて、光熱費を削減できます。
家庭用天井埋め込みエアコンには、ドレインホースをまとめて、1台の室外機ですべてのエアコンをまとめられるというメリットがあるのです。
通常は、壁掛け型エアコンの本体を1台置くごとに室外機が1台セットで必要でしょう。
複数の部屋にエアコンを設置する家庭では、庭や外に室外機がずらっと並ぶ光景も珍しくありません。
※一部マルチエアコンと呼ばれるエアコンは、壁掛けエアコンでも室外機1台に対して、室内機を複数設置できるタイプのエアコンもあります。
メリットの一方でデメリットもいくつか存在します。新たに導入する際の参考にしましょう。
一般的な部屋では、奇抜なインテリアでない限り、照明が部屋の中央に位置します。
そのため、家庭用天井埋め込みエアコンの設置位置が中央に取れない可能性があるのです。
また吊りタイプのスタンダードな照明は家庭用天井埋め込みエアコンと相性がよくありません。風の流れを邪魔してしまいます。
この点は、壁掛けでも工事は必要です。しかし、天井に埋め込むためには、それなりの強度とトラブルに強い壁にする必要があります。
十分な調査やリフォームをせずに家庭用天井埋め込みエアコンを導入すると、内部で異常が発生したり、壁のダメージが蓄積したり、エアコン本体の故障等が起きたりするのです。
家庭用天井埋め込みエアコンの本体や室外機、配管などの設置工事をした費用は、壁掛け形に比べて大きいでしょう。
設置する本体台数にもよりますが、貫通工事や各種配管工事などがかさめば全体で10万~20万円ほどします。
壁掛け形エアコンはクリーニングやメンテナンスの需要があり、費用も抑えられるのに対し、家庭用天井埋め込みエアコンの洗浄経験が少ない業者も多いでしょう。
作業可能であってもクリーニングやメンテナンス費用が高めに見積もりが提示される傾向にあります。
流通している種類は、圧倒的に壁掛け形エアコンが多いことが知られています。最近はカラフルなエアコンやデザイン性にこだわったタイプなど種類が豊富です。
家庭用天井埋め込みエアコンの種類や製品は現存する種類のいくつかの中からチョイスしなければならないのです。
機能性を求める人やたくさんの中から比べて選びたい人にとっては物足りなく感じてしまうでしょう。
以上、家庭用天井埋め込みエアコンはさまざまな製品名や略称で呼ばれています。インテリアや空間の活用に強いというメリットがあるのです。
その反面、販売製品の少なさから選択肢が限られたり、必要以上に本体費用や工事費がかかってしまうこともあるので注意が必要でしょう。
また、クリーニングやメンテナンスにおいて専門の方法で行う必要があるため、掃除や内部洗浄は、天井埋め込みエアコンのクリーニングが可能な業者に依頼しましょう。