「ビデオテープを発見したが、白く変色していた」
「再生しようとしたが、切れていて見れない」
「再生してみたが、途切れ途切れでほとんど見れなかった」
このような経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
VHSなどのビデオテープは、寿命が30年と言われており、適切に保管していても劣化してしまいます。
特にビデオテープにとって適切な状態で保管することを考えずに、長年放置しているのでしたら、10年を経たずに劣化して見れなくなる可能性も考えられます。
ビデオテープが切れていたり、カビが生えていたりした場合は、分解して修理してからでないと再生できません。
今回のくらぷらブログは、自分でできるビデオテープ(VHS)の分解・修理方法を解説していきます。
ビデオテープを分解するために特殊な道具はほとんど必要ありません。
基本的にはご家庭にあるもので、分解できます。
・プラスドライバー(0番)
ビデオテープのネジは小さいため、ドライバーの大きさによってははまらず外せません。精密ドライバーのセットか0番のプラスドライバーを用意してください。
・確認用ビデオテープ
分解や組み立て中に配置などを確認するためのテープです。できる限り同じテープを用意しましょう
・はさみ
折れ曲がってしまった部分は、デッキを傷めたり、故障の原因にもなりますので、カットするために使用します。
・カッター
ビデオテープの分解や、補修用テープを切る際に使用します。できれば用意してください。
・瞬間接着剤
ビデオテープが切れている場所によっては、使用します。
・補修用テープ
セロテープは厚みや耐久性で推奨できませんが、1回限り再生するための応急処置としてなら使用可能です。
複数回再生する予定の場合は、専用の補修テープを用意してください。
・無水エタノール
カビが生えてしまったビデオテープの洗浄・カビ取りに使用します。
・不織布
ビデオテープのカビ取りに使用します。糸くずがテープにつかないよう不織布のクロスを用意してください。
ビデオテープは上下半分に分かれる形状のため、側面にラベルが貼ってある場合は剥がします。
ラベルシールが古く固着しているなどキレイに剥がしづらい場合は、カッターを使って切ってください。
① 磁気テープを確認できる窓がある方を下にしてビデオテープをおきます。
ビデオテープは、メーカーを問わずネジで5箇所を固定しています。0番のプラスドライバーを使用し取り外してください。
多くの場合は+ドライバーのみで分解できすが、上の画像の様に一部のテープは、中心部分のネジが特殊な形状をしている場合があります。
上の画像の場合は、小さめのマイナスドライバーで2辺を引っかけるように使って外してください。
できない場合は、Y型ドライバーなどを使用して分解します。
② ネジを外したら、テープの手で押さえながら裏返します。
そのままの状態で開けたり、手で押さえないまま裏返したりすると、内部の部品が外れてしまいます。
シンプルな作りになっていますが、細かい部品もあるため、紛失しないよう注意しながら裏返して下さい。
③ 裏返したら上部のカバーを慎重に開けてください。
上部カバーを外したら、形状や部品の配置を画で記録しくと、後で振り返ることができ便利です。組み立ての際迷った時にも使えますので、必ず画像を撮っておきましょう。
④ リールを片手で1つずつ持ち、両方とも一緒にゆっくり持ち上げてカバーから取り外します。
その他簡単に取り外れる備品は、予め取り外します。
上記カビ取り作業の動画もあります。
よろしければ、以下ご参照ください。
リールから外れるなど記録部分ではない場所が切れている場合は、リール部分とテープを直接瞬間接着剤などで取り付けて修理します。
接着剤を使用した場合は、完全に固着するまで放置してください。
接着力が残っている状態ですとテープに付着し、その部分から再生できなくなる場合やビデオデッキにダメージを与える場合があります。
切断面がキレイな場合は、補修用テープを使って張り付けるだけで完成です。
テープの切断面を合わせて補修用テープで接着します。
補修用テープは必ず内側に貼ってください。
外側に補修テープを貼ってしまうと、補修テープがビデオデッキのヘッドを傷つけ、ビデオデッキが壊れてしまいます。
絶対に外側からは補修用テープを貼らないでください。
切れてはいないが、ねじれたり折曲がったりグシャグシャになって場合は、その部分全体を切る必要があります。
切り取ってしまった部分は、残念ながら映像は見られなくなりますが、他の部分を生かすためですので諦めてください。
ねじれたり、グシャグシャになって部分が中途半端に残っていると、再生時その部分がビデオデッキに絡んでしまう可能性もありますので、思い切って切り捨てます。
切断面をキレイにつなぎ合わせる事ができるかが、ビデオテープが切れている場合の修理の最大のポイントです。隙間が空いてしまったり、重なってしまったりした場合は失敗となります。
ここで失敗すると補修用テープ貼り直さなければなりません。補修用テープを貼った部分の磁気テープも切り捨ててください。
上の画像はキレイに切れなかった状態です。このままでは上手く重ね合わせられないためもう一度切る必要があります
切断面をキレイに揃えるために、切る部分のテープを重ね合わせて、はさみでまっすぐ切るとキレイに切断できます。
磁気テープの外に補修用テープが出ている場合は、はさみやカッターでキレイに切り落としてください。
下の画像のように磁気テープから補修用テープがはみ出たままになっていますとテープ同士がくっついたり、ビデオデッキの内部に絡み、故障の原因となります。
基本的にビデオテープの修理にセロテープは推奨できません。
使われている接着剤が熱で溶ける可能性があることと、劣化が早いことなどの理由があり、ビデオデッキを傷めたり故障する原因になるからです。
ただDVDにダビングするためだけにビデオテープを修理する場合は、1回だけ再生に耐えれば大丈夫と考えれば多少リスクはありますが、セロテープでも代用できます。
◆プロが使用する補修用テープ
画像引用: LPL ビデオテープ修復テープ 接合テープ VST-12 L9721-1
※参考100枚入りですので業者以外の方には向きませんが、プロがビデオテープの修理で使用しているテープです。
ビデオテープの窓から除くと白く変色している部分が見える場合があります。その白い部分はカビです。
カビが生えた状態で再生すると、砂嵐になったりして再生できない事がほとんどです。更にカビがビデオデッキの内部の部品についてしまい、故障の原因にもなりますので、カビを取らないで再生することは絶対にしないでください。
分解手順は切れている場合と同様です。
ビデオテープのカビ取りには、無水エタノールを使用します。
分解してテープをリールごと取り外した状態で、無水エタノールを染み込ませた不織布でビデオテープの両面を優しく丁寧に拭いていきます。
カビでビデオテープが固着して動かない場合は、無水エタノールを直接吹きかけるなどして、ビデオテープを柔らかくしてください。
無理に回そうとすると、ブチッと切断してしまう事もありますので、ご注意ください。
※無水エタノールはビデオテープを溶かしてしまう恐れもありますので、使用後はすぐにダビングしましょう。
なお、水を使用する場合は、除菌効果が全くないのでカビが再度繁殖してしまう恐れがあります。
カビが生えている部分だけでなく磁気テープを最初から最後まで全体を拭きます。
一部分しかカビが生えていない場合でも、見えていないだけであって他にもカビが生えている場合が考えられるからです。
カビ取りの専用機械といってもいい「ビデオリワインダー」ですが、残念ながらこちらもビデオデッキと同様にすでに製造は中止されています。
機種によっては数分でカビ取りが終わり、再生できるようになりますが、高速でテープを回転させるので劣化しているテープは引きちぎれてしまう可能性がありますので、使用する場合はご注意ください。
またビデオリワインダーは中古で購入することができますが、価格は20,000円~とかなり高額になります。
また一度カビが生えてしまったテープは、テープ内部にカビ菌が潜んでいますので、放置しているとまたカビが生える可能性が非常に高いため、早めにDVDにダビングをおススメします。
磁気テープが曲がったり絡まったりしないように注意しながら、元通りに磁気テープをおさめます。
右側のシルバーの筒と白いローラーの間を通しますが、その際シルバーの筒も白いローラーも簡単に外れますので無くさないように注意してください。
左側は、シルバーの筒の外側を通って、シルバーの棒と透明な弁の間に磁気テープを通します。
分解時に撮った画像を確認しながら、各部品の位置に差異が無いか確認して、問題が無ければ、上部のカバーをかぶせはめ込みます。
後は元通りネジ止めします。
再生する前に稼働に不具合が無いか確認します。
問題が無ければ組み立ては完了です。
最後に再生できるか確認してください。
ビデオテープが切れたり、カビが生えるなどの不具合が起きた場合の、分解・修理方法を解説してきました。
切れてしまっている場合は、どれだけキレイにつなぎ合わせられるかがポイントになります。隙間が空いてしまったり、重なってしまったりした場合は失敗です。
一発で成功させるためには、多少練習が必要ですので、不要なテープで練習してみてください。
またカビが生えてしまった場合は、丁寧にカビを取ることがポイントです。
ビデオテープは意外と長いので、根気がいる作業となりますが、固着している場合もあるので雑に扱わず無理にひっぱたりしないでください。
ビデオテープに不具合がある場合で、自信のない方や面倒と感じる方はダビングサービスを提供している業者に依頼しましょう。
失敗してしまうとビデオテープがダメになるだけでなく、ビデオデッキのヘッド部分が汚れたり壊れたりして、他のテープを含め再生できなくなってしまいます。
難しいなと思ったら、無理せず業者に頼みましょう。
【その他ビデオダビングサービスのご紹介】
いろいろなダビングサービスの会社がございます。いろいろなサービスを比較したい方は以下記事から。
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