年々真夏日や猛暑日の日数が増えてきまいます。
連日テレビや新聞などで熱中症の話題が大きく注目されています。
外出する時に暑さ対策をする人は多いと思いますが、家の中ではそれほど気にしていないという方も多いのではないでしょうか?
しかし、実は熱中症は室内での発生率が高いということが分かっています。
今回のくらぷらブログでは、室内での熱中症対策として効果的な方法をお話ししますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.近年の熱中症は4割が室内で発生している
2.熱中症は高温・多湿・風が弱い日に注意!
2-1.熱中症の危険性が高い天気
2-2.子供と高齢者は熱中症にかかりやすい
2-3.その他の熱中症にかかりやすい人
3.室内での効果的な熱中症対策
3-1.予防行動
3-2.環境
3-3.健康管理
まとめ
1.近年の熱中症は4割が室内で発生している
熱中症は、暑さにより体内の水分や塩分が不足し、体の熱が発散できなくなり、体温がうまく調節できなくなっている状態のことです。
総務省消防庁によると、2019年5月から9月に熱中症で救急搬送された人の発生場所は、住居が38.6%ともっとも多く、続いて道路が15.6%、公衆(屋外)が12.5%となっています。
(引用:総務省消防庁 令和元年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況)
このように近年熱中症は室内での発生が約4割を占めていることが分かるので、外出をしなくても適切な熱中症対策が必要ということになります。
2.熱中症は高温・多湿・風が弱い日に注意!子供や高齢者、体調不良時はかかりやすい
それでは、熱中症の危険性が高い天気や、熱中症にかかりやすい人の特徴にはどんなものがあるのでしょうか?
2-1.熱中症の危険性が高い天気
下記のような条件がいくつか揃うと、汗が蒸発しにくく体に熱がこもりやすい状態になり、熱中症になるリスクが高まります。
- 気温が高い日(28℃以上で警戒)
- 湿度が高い日(70%~80%)
- 日差しが強い日
- 風が弱い、風が無い日
- 前日と比較して急に暑くなった日(梅雨の晴れ間、梅雨明け、猛暑日など)
たとえ気温が低い日でも、湿度が70%を超えていたり、風が弱い日は危険ということを覚えておきましょう。
詳しくは以下のサイトに今年の気温傾向と熱中症傾向がまとめられています。
2-2.子供と高齢者は熱中症にかかりやすい
子供と高齢者は自分の体調について、自分で気付くことが難しいことが多いです。周囲の人が気を付けて、体調や水分補給をしているかなどこまめにチェックしてあげてください。
子供…子供は体温調節能力が十分に発達していないため、上手く汗をかくことができず、体に熱がこもりやすいです。
高齢者…高齢者は老化により、体の水分量が減少している、体温調節機能が低下していて汗をかきにくい、のどの渇きや暑さを感じにくいなどといった身体的な特徴があります。
さらに、トイレの回数を気にして水分摂取を控える、エアコンの使用を好まないといった傾向があります。
2-3.その他の熱中症にかかりやすい人
子供と高齢者以外でも、以下のような人は特に注意してください。
- ◆体調不良の人…疲労がたまっている、風邪、発熱、睡眠不足、夏バテなど
- ◆脱水症状の人…嘔吐、下痢、二日酔いなど
- ◆持病のある人…心臓疾患、糖尿病など
- ◆肥満の人
- ◆運動不足の人
- ◆暑さに慣れていない人
3.室内での効果的な熱中症対策
室内で熱中症にかからないためには、予防するための行動、環境を整えること、健康管理が大切です。
3-1.予防行動
体調不良時は安静にする、水分・塩分補給
◆体調不良の時は無理をせずに安静にする
熱中症にかかりやすい人で挙げたとおり、体調が万全でない時は、熱中症のリスクが高まっているので、無理をして動いてしまうと危険です。
◆水分・塩分補給【のどがかわく前に、こまめに、少しずつ】
- 基本的に人が一日に摂取すべき水分量は、食事からの水分量も含めた場合は約2.5ℓ。食事を含めず、飲料のみから摂取すべき水分量は約1.2ℓといわれています。
- 汗の原料は血液中の水分や塩分なので、体温調節機能をスムーズにするためにも水分や塩分を適切に補給しましょう。
- 喉が渇いたと感じていなくても、行動の節目(起床時、外出前後、入浴前後、就寝前、運動前後、運動中など)または30分に一度、こまめに水分補給をしましょう。
ポイントは一気にたくさん飲むのではなく、少しずつ、こまめに飲むこと。一度に一口から200㎖程度が目安です。いつでも水分補給ができるように、普段から飲み物を持ち歩く習慣を付けましょう。
- 通常時の水分補給は、水、麦茶、ルイボスティー、たんぽぽ茶、黒豆茶などのノンカフェインの飲料がおすすめです。
- 運動をしたり汗をたくさんかいた時には、水分だけでなく、塩分やミネラルも摂取できる飲料がおすすめです。例えば、スポーツドリンク、経口補水液といった、塩分濃度0.1~0.2%程度の飲料が推奨されています。
その他、塩分入りタブレット・飴、麦茶、塩昆布、梅干し、おせんべい、スナック菓子なども塩分が補給できるので意識して食べると良いでしょう。
【経口補水液がすぐ手に入らない場合の作り方】
水1ℓに砂糖20~40g(大さじ2と小さじ1〜大さじ4と2分の1)と塩3g(小さじ2分の1)を加えて溶かします。あればレモン果汁などを適量加えると飲みやすくなります。
・飲み物の温度
体温を下げたい場合は、5~15℃程度の冷たい飲料が体内での吸収が良く体を冷やすので効果的です。しかし普段は常温の方が、内臓に負担をかけずに済みます。
おすすめしない飲み物は、コーヒー、紅茶、お酒などにはカフェインが多く含まれているものです。利尿作用があるので、水分を外に出してしまいます。
また、糖分を多く含むジュース、スポーツドリンクなども急激な血糖値の上昇と急降下により頭痛やイライラ、体のだるさにつながってしまうので注意してください。
3-2.環境
室温28℃以下、湿度50~60%程度、家電の利用、直射日光を避ける、体温調節しやすい服装
熱中症対策の目安では、室温28℃以下、湿度50~60%程度が良いといわれています。
室温が低すぎると、外気温と室温の差が大きくなってしまい、出入りする時に体の負担になります。
室内では特に浴室や洗面所、キッチンなど熱気のこもりやすい場所で長時間過ごす時は要注意です。
温湿度計で、部屋の温度と湿度が分かるようにしておくと安心です。
環境省のサイトなどで、毎日の暑さ指数(WBGT)が発表されているので参考にしましょう。暑さ指数が28℃を超える時は熱中症にかかりやすいので、特に注意して行動するようにします。
(参考:環境省 熱中症予防情報サイト 暑さ指数(WBGT)の実況と予測)
◆エアコンや扇風機、サーキュレーターを利用する
暑い日には必ずエアコンを利用してください。
エアコンの冷房は、室温が「28℃」以下になるように設定します。ポイントは、エアコンの設定温度が28℃ではなく、室温が28℃に以下になるようにすることです。
扇風機を併用するのも効果的です。扇風機でエアコンの気流の流れを工夫したり、循環させたりすると同じ温度でも涼しく感じることができます。
サーキュレーターを使ったエアコンを効果的に使う方法についてはこちらの記事に詳しく書いてありますので、参考にしてください。
エアコンや扇風機などの電化製品は機能が低下しないように、定期的にお掃除することも忘れないようにしましょう。
◆直射日光が入らないようにする
窓から強い日差しが入ると、室内の温度が上昇してしまうので、工夫してさえぎりましょう。ブラインド、すだれ、よしず、植物(緑のカーテン)、日射遮断フィルムなどを利用します。
◆打ち水をする
窓を開けて風が温かい場合は、庭やベランダなど直射日光の当たる場所に打ち水をすると効果的です。
打ち水は気化熱を利用して地面の熱を奪う方法です。気温が上がる前の朝や、気温が下がり始めた夕方や夜がもっとも効果が期待できます。
冷たくなった空気が風と一緒に窓から入るようになれば涼しさを感じられます。
※気化熱とは、液体の物質が気体になる時に周囲から吸収する熱のこと。
◆体温調節しやすい涼しい服装をする
身に付ける衣類は、体をしめつけない、襟元がつまりすぎない、ゆったりしたものがおすすめです。色は黒や濃い色は日差しや熱を吸収しやすいので、白や淡い色を選びましょう。
また、通気性が良い、汗を吸う、汗をかいても乾きやすいなど夏向けの素材も活用しましょう。
3-3.健康管理
熱中症予防には、十分な栄養と睡眠が欠かせません。また、体が熱さに慣れていないと、急激な体温上昇に体がついていけなくなってしまいます。
◆健康管理をする
日頃から3度の食事と睡眠はしっかりととります。
特に熱中症予防にはカリウム、ビタミンC、ビタミンB1、クエン酸を積極的に取り入れてバランスの良い食事を心掛けてください。食事での栄養が足りていないと感じたら、ビタミン剤で補給するのも良いでしょう。
ほかにもダイエットなどで食事量が少なかったり、朝食抜きの習慣がついていたりすると、栄養バランスが崩れて体力が落ちてしまいます。体調が悪い時でなければ、3食はしっかりとることをおすすめします。
◆暑さに慣れるための体作りをする
暑さに体が慣れていないと、体温調節が上手くできず、熱中症にかかりやすくなったり体調を崩しやすくなります。
そこで、本格的な夏が来る前に、汗をかく運動をしておくことで、急な気温上昇にも体が順応しやすくなります。
体が少しずつ暑さに慣れていくことを暑熱順化といいますが、これは、「やや暑い環境」において「ややきつい」と感じる強度で、毎日30分程度の運動(ジョギング、ランニング、エクササイズなど)を継続することで獲得できます。
普段運動していない方や、暑い環境での運動は事故のもとなので、十分気を付けて行い、水分補給を忘れずに無理のない範囲で実施してください。
まとめ
室内で起こる熱中症は、対策をしっかりとしていれば、ほぼ100%防ぐことができるといわれています。
家の中だから大丈夫、自分だけは大丈夫という油断が思わぬ事態につながってしまいます。
夏を元気に過ごすために、ぜひ意識的に熱中症対策をしておきましょう。