掃除にアルコールを使ったことはありますか?
実はクレンザーや一般的な掃除用洗剤をたくさん用意するよりも1つのアルコール製品を活用することで、幅広い汚れに使うことができる万能な掃除ツールなのです。
そこで、今回はアルコールの掃除での使い方について紹介します。
目次
1.掃除で使うアルコールって何?
1-1.掃除で使われるエタノールとアルコールは何が違う?
1-2.【用途で違う?】消毒用エタノールと無水エタノール
1-3.エタノールの違いは濃度の差にある
2.掃除での使い方や除菌方法
2-1.無水エタノールが家電・精密機器の掃除に使われる理由
2-2.油汚れに効く
2-3.殺菌・除菌や防虫、防カビ作用がある
3.エタノール製品以外のアルコールスプレーを掃除に代用
3-1.除菌・カビ対策用のアルコールスプレーの実例
3-2.アルコールスプレーの使い方
まとめ
1.掃除で使うアルコールって何?
掃除で使う前に、まずはアルコールの性質や名前の違いなどについて確認しましょう。特徴を理解することで、掃除の時に間違った使い方をしないように配慮できるのです。
1-1.掃除で使われるエタノールとアルコールは何が違う?
掃除で使われるエタノールは、アルコールの事を指します。
アルコールにはさまざまな呼び方があり、エチルアルコールやエタノール、メタノール、エチレングリコールはすべてアルコールと呼んでも差し支えありません。
具体例として、掃除用で名前が聞かれる「無水エタノール」は、無水アルコールとほぼ同じ意味です。エタノールはアルコールの1種類と考えましょう。
海外(インド)の密造酒による急性アルコール中毒の事件では、お酒の中にアルコールの一種である有害なメタノールを含ませて濃度を高めて危険な酒が出回ることがあります。
このようにアルコールにはその性質や種類、危険性など使用するときに注意しなければなりません。
飲むと危険な場合や掃除に使うだけなら安全なアルコール類などがあります。ここで紹介するエタノールは安心して掃除に使えるタイプのアルコールです。
1-2.【用途で違う?】消毒用エタノールと無水エタノール
一般的に消毒用エタノールは建物や手・指の消毒に使われます。そして、無水エタノールは掃除の用途で使われます。手や指を消毒する際に使われる消毒用エタノールは有名です。
怪我をしたときにも使われることがあり、掃除よりも消毒に重点が置かれています。
掃除の用途に使用するときは、アルコールが引火しやすい性質を持つので、火気厳禁です。
1-3.エタノールの違いは濃度の差にある
消毒用エタノールと無水エタノール、この2種類は、濃度が異なります。
無水エタノールは呼んで字のごとく「無水」で水を含んでいない純粋なアルコールで、アルコール濃度が99.5%以上です。
それに対し、消毒用はエタノールは、75~80%程度でしょう。
製品名の先頭に表記の無いただのエタノールは、95%~97%程度の濃度です。
100%のエタノールが無い理由は、気体に含まれる水分までアルコールは吸収して、100%にできないのが理由です。
濃度の違う2種類を掃除では使いわけます。消毒を目的にしているのか、汚れの洗浄を目的に使用するか。
基本的に無水エタノールを所持していれば、精製水(精製して、水の純度を高めたもの)で薄めて使えるので、掃除から消毒まで幅広く使えます。
2.掃除での使い方や除菌方法
次に、掃除や除菌目的で使う方法を紹介しましょう。
2-1.無水エタノールが家電・精密機器の掃除に使われる理由
アルコールは濃度によってその性質が変わるため、何に使うのかで濃度を選ぶ必要があります。
その目安として使えるのがアルコール(エタノール)の「無水」や「消毒用」などの名前の違いです。
例えば、無水エタノールを掃除のために使うとしましょう。テーブルをきれいにするのに液をたらすと、すぐに乾燥してしまいます。
エタノールとしてほとんど水分を含んでいないので、すぐに気化してしまうのです。速乾の性質があることがわかります。
逆に言えば、水を使わずに掃除したい家電や精密機器などの掃除にはうってつけです。
布やブラシ、綿棒に無水エタノールを染み込ませて、掃除すれば汚れがきれいに落ちます。
掃除する際は、純粋なアルコールの刺激は強いので、肌が弱い人だけでなく、普通の人も手袋をしましょう。
①掃除の手順・範囲が狭いケース
- 1.ビニール手袋をつけてから、無水エタノールを開封し、布やブラシ、綿棒(精密機器のスキマの掃除など)に染み込ませる。
- 2.汚れを拭く・こすることで落とす。
- 3.乾いた布やタオルで拭き取る。
綿棒は、精密機器のスキマの掃除などに使うと良いでしょう
②掃除の手順・範囲が広いケース
- 1.無水エタノールをスプレーボトルの中に入れる。
- 2.ビニール手袋をして、電化製品の表面やコンロの汚れにスプレーで吹きかける。
- 3.乾いた布・キッチンタオルや雑巾で拭き取る。
IHコンロに吹きかける際は、電源やスイッチが入っていないことを確認して、高温状態の物体にアルコールを使わないように注意しましょう。
2-2.油汚れに効く
IHコンロや流し台などは、油汚れがこびりつきやすい場所です。無水エタノールは水を使えない場所だけでなく、その性質から油を分解して汚れを落とす効果を期待できます。
化学的アプローチから説明すると、「有機溶媒」に該当するエタノールは、水だけでなく油との親和性も高く、水だけでなく油とも相性が良い。そのため、油汚れに使うと、油を分解してくれるのです。
2-3.殺菌・除菌や防虫、防カビ作用がある
掃除の際に気になるのは汚れを落とすだけでなく、菌やカビをしっかりと落とせたかでしょう。
無水エタノールは濃度を落として消毒用エタノールを作れるので、エタノールで掃除した後、濃度を低くした溶液の消毒用エタノールを作り、そのまま床や壁、掃除箇所の消毒に使えます。
無水エタノールは消毒用エタノールよりも殺菌性能は発揮せず、一瞬で気化してしまうので消毒作用も強くありません。
そのため、汚れ落としに無水エタノール、消毒や防カビには消毒用エタノールが効果的です。
もちろん、無水エタノールにもその作用はあるので、菌が多い場所やカビの生えやすい場所の掃除を入念に実施しましょう。
ここで補足として、防カビの一例として、焼酎でパンや食品のカビ予防をするという生活の知恵があります。
アルコール濃度は度数が20や25ですが、それでもカビ予防に効果があるのです。
無水エタノールを消毒用に薄めた場合、それは高い防カビ効果を発揮すると考えてよいでしょう。
3.エタノール製品以外のアルコールスプレーを掃除に代用
近年は、掃除に便利グッズが登場することも増えています。
無水エタノールを使わなくてもそれに近い性質で汚れを落とせる除菌アルコールスプレーの製品があるので、手軽にスプレーとしてカビ落としなどに使われるでしょう。
3-1.除菌・カビ対策用のアルコールスプレーの実例
例えば、実際の製品で「カビキラー アルコール除菌 キッチン用」という製品では、アルコール除菌の成分として発酵エタノールが使われています。
精製水は濃度を低く調整するために使用していると見てよいでしょう。
それからクエン酸(ナトリウム)が除菌を助ける成分として入っています。
つまり、純粋なエタノールではないけど、除菌成分を強めるために濃度を下げて、別の成分を加えることで汚れを落としやすい。そんなお掃除用具として成立しているのです。
3-2.アルコールスプレーの使い方
- 1.掃除や除菌したいキッチン用品や台所にスプレーする。
- 2.そのまま乾燥させる
- 3.拭かずに除菌完了(拭かなくてもよい上記製品の場合)
他の製品にも業務用除菌アルコールやアルコールスプレーの製品が数多く販売されているので、掃除に併用する際は使い勝手の良いものを中心にチェックしましょう。
特に食品に使っても良いアルコールスプレーなのか、あるいは口に入れない物に使うための成分が含まれているかも成分表から確認が必要です。
以上、総合的に考えれば無水エタノール、除菌など用途を限定すればスプレータイプが利用しやすいでしょう。
掃除をメインとしたときは、上記のアルコールスプレーの製品では十分に汚れを落とせないので、除菌ではなく本格的な掃除にはやはり無水エタノールが使いやすさがあります。
濃度を下げているので、水分が含まれているので精密機器の掃除には、アルコールスプレーではなく無水エタノールが必要でしょう。
まとめ
アルコールを掃除で使うときは、無水エタノールやアルコールスプレーを使用しましょう。
水性の一般的な汚れ(ホコリやカビ等)から油性の油汚れまで、どちらにもタイプできるのがアルコールです。
刺激が強いから手で直接触れないなど、使い方に気をつけること。
万能な掃除アイテムとして、1つはご家庭に用意しておくと便利でしょう。