寒い時期は掃除にてきなさいのですが、なぜか年末は大掃除の季節。
常日頃掃除しないところもお掃除して、すっきりとした気持ちで新年を迎えることが日本の習慣ですね。しかし常日頃お掃除しないところにはガンコな汚れがたくさん残っています。そんなお掃除個所の代表的な場所はレンジフードではないでしょうか。
茶色く変色した油がびっしりと張り付いていて、どうしたものかとお悩みの方もおおいでしょう。そんなレンジフードのお掃除をご自宅でやる方法とコツをご紹介いたします。
目次
1.ご自身で大掃除したくない場所1位、レンジフード(換気扇)
2.レンジフードのお掃除方法、オキシ漬けとは
3.レンジフードの汚れのもと
4.ご家庭にあるもので出来るシロッコファンタイプの掃除手順
まとめ
1.ご自身で大掃除したくない場所1位、レンジフード(換気扇)
一昔前のプロペラのみの換気扇は、ご自身でプロペラを外し、洗って、フィルターも古くなっていたら新しいものに交換することができそこまで大変な掃除ではありませんでした。
しかし最近の換気扇(レンジフード)は見た目も大きく、フィルターで内部のファンが隠されているので、ご自身でお掃除されるには、どこからお掃除していいのだろうと思うかもしれません。
10年以上汚れを放置してしまったレンジフードをご自身で分解して洗浄することは難しいかもしれませんが、数年程度の油汚れの状態でなければ、ご自身でお掃除を行うこともできます。
キッチン専業メーカーのクリナップ株式会社が実施したアンケートでは、レンジフードの大掃除が最もやりたくない場所1位とのアンケート結果が出ていました。レンジフードをご自身でお掃除する方もいらっしゃるのかもしれませんが、やりたくないというのが本音ではないでしょうか。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000036791.html
お掃除は準備・重労働・時間と手間がかかるといった大変さがあります。
またレンジフードは高い位置に設置されていることが多く、脚立か踏み台に乗らないとお掃除できないことや、分解して洗って取り付けるという作業が大変なため、大掃除したくない場所1位になってしまったと考えられます。
2.レンジフードのお掃除方法、オキシ漬けとは
掃除方法のコツを知れば効率よくお掃除することはできますので、簡単にしっかりと汚れを落とす事のできるお掃除方法をご紹介したいと思います。
油汚れ用の洗剤はマジックリンなどのアルカリ性洗剤だけで基本的にお掃除できます。
取りづらいシロッコファンの汚れは、少し前からオキシ漬けという方法が流行りました。この方法によって手軽に落とすことができます。
(オキシ漬けとはスーパーや通販で販売されている『オキシクリーン』という洗剤を使って漬け置き洗浄することです。元々は洗濯用洗剤(酸素系漂白剤)のオキシクリーンですが、あらゆる汚れを落としてくれるため掃除でも活用されるようになり、簡単なお掃除方法として注目を集めているのが「オキシ漬け」です。
オキシクリーンを溶かしたお湯に汚れたものを入れるだけで、手間なくキレイにできるため、誰でもすぐにできます。)
3.レンジフードの汚れのもと
レンジフードの汚れの主要因は「油」と「ホコリ」です。
料理中に飛び跳ねる油と、熱せられた食材から出る油分を含んだ蒸気がレンジフードに吸い込まれ、そこに空気中に漂っているホコリも一緒に吸い込まれます。その油とホコリが合体し汚れとなります。
調理のたびに油とホコリが積もっていきます。さらに熱せられることによってベタベタの茶色い頑固な油汚れに変化していってしまうのです。
レンジフードについた油汚れは、そのまま放置してしまうと、フィルターの目詰まりと油汚れの重さで換気能力低下の原因となり、モーターに負担がかかり故障の原因にもなります。
揚げ物や炒め物など油を使う料理をよくする方は、定期的にレンジフードのお掃除をしないと、レンジフードが壊れてしまう原因となりかねません。長い間お掃除をしていない方や、自分でお掃除してみたけど汚れが取りきれないという方は、プロにレンジフードクリーニングを依頼するのもよいかもしれません。
4.ご家庭にあるもので出来るシロッコファンタイプの掃除手順
◆用意するもの
- アルカリ性洗剤(油汚れ用マジックリンなど)
- オキシクリーン(酸素系漂白剤)
- 新聞紙 数枚
- ゴミ袋(40L)3枚程度
- ゴム手袋
- キッチンペーパー
- 割り箸
- 使い古しの不要な歯ブラシ
- 食品用ラップ
◆お掃除の準備
レンジフード(換気扇)の電源を切り電源プラグを抜きます。
(またはブレーカーを落とします)
キッチン・床に汚れ防止の新聞紙を敷きます。
(必要であれば脚立を用意します。)
給湯器の温度設定を変え60℃のお湯が出るようにします。
シンクにゴミ袋を広げます。
別のゴミ袋を用意し、バケツにゴミ袋をかぶせます。
◆漬け置き液を作成
60℃のお湯をバケツの中に入れ、お湯に適量のオキシクリーンを入れよく混ぜます。
外した部品がすべて浸かるくらいの水の量が必要です。必要に応じて分量を調節してください。
◆フィルターを外す
フィルターの取っ手をもって上にあげるようにしてフィルターを外します。※取り扱い説明書を確認し、フィルターを外してください。
取れないようであれば、油汚れで固まっている可能性があるので、マジックリンをかけて5分程度放置して、油汚れを柔らかくします。
◆シロッコファンを外す
シロッコファンの手前にある円盤のようなパーツ(ベルマウス)を外します。
ベルマウスが油受けになっている場合があり、油が垂れないよう注意しながら外します。スライドさせるか取り付けられている蝶ネジを回して外します。
中心にあるネジを通常とは逆回りに回します(ファンの回転によって、ネジが外れないように逆回りで取り付けられています。ネジ部分に→印(矢印)が書かれていることが多いので、ライトを当てるなどして確認してください。)
ファンが落ちないように抑えながらネジとファンを取り外します。
※固まって取れない場合は、中心部分をドライヤーで温めるか、アルカリ性洗剤を吹きかけるなどして汚れを柔らかくしてから回してください。
◆カバー外枠を外す
レンジフードカバー換気扇の外枠は、留め具を外したりカバー自体を横にずらしたりすれば簡単に外せるものが多く、誰でも簡単に取り外しが可能ですが、油汚れで固まっている場合は洗剤やドライヤーを使い、汚れを柔らかく緩めてください。
またコネクターを外す必要が機種もあるため注意が必要です。
メーカーや機種により分解方法が異なる部分もあるため、無理に外そうとせずにレンジフード本体に貼られている外し方の手順シールまたは取扱説明書を確認してください。
外し方がわからない方は、一度ハウスクリーニングを頼んで、分解方法・洗浄方法を確認して、翌年からご自身で行われることをおススメします
◆フィルター・ファン・ネジの漬け置き
取り外したフィルター・ファン・ネジを0.5〜2時間程度浸け置き液に漬け置きします。
漬け置き後に洗います。
◆フィルターの洗浄方法
フィルターの裏側に全体に満遍なくアルカリ性洗剤を掛けます。
5~10分程度放置し、裏側のまま歯ブラシで全体を擦り洗いします。
お湯で洗剤を洗い流し、汚れがとれているか確認します。
汚れが取れていない場合は、再度洗剤を吹きかけ放置します。
※フィルターの構造上、洗剤は絶対に裏側から掛け、ブラシも裏側から擦ります。
表から洗剤を掛けたり、ブラシをするのは、仕上げの段階で行ってください。
塗装されている場合は、洗浄することによって塗装が剥げる場合があります。
◆シロッコファンの洗浄方法
シロッコファンに固着している汚れも、ホコリと油が主な汚れです。
落とし方は他の箇所と同じですが、ホコリが多い分ねっとりとした汚れで、落としづらく、ブラシを使ってしまうとブラシの方に汚れが移り、ブラシがすぐに使い物にならなくてってしまいます。
そのため、プロは専用のヘラなどを使用し、汚れを落とすのですが、一般家庭にはないので割りばしやコンビニでもらえるプラスチック製のスプーンやフォークの柄尻部分を使い、羽根に付いた汚れを1枚1枚擦っていきます。柄尻に付いた汚れは新聞紙に擦りつけ、つけ置き液の中に戻さないようにします。
汚れの剥がれ具合が悪くなってきたら、シロッコファンを再度つけ置き液に10分程度入れて、擦り洗いを繰り返します。
割りばしやスプーンの柄尻で汚れが取り切れなくなったら、歯ブラシを使い、汚れを取ります。
細部に残ってしまう汚れは、マイクロファイバークロスで拭き上げてください。
◆その他のパーツ、注意点
残ったパーツに関しては、マジックリンを使ったり、オキシ漬けの液でクロスを濡らしたりして、油汚れを拭いてください。しかし以下2箇所ほどご注意ください。
- スイッチ部分 スイッチの裏には電気が通っているので直接洗剤をかけてしまうと、壊れる恐れがあります。
- ケーシング部分 シロッコファンが収められているカタツムリ状の箇所です。この中に水あめ状になった油汚れがある場合があります。
少量であれば、要らないプラスチックのカードなどを使いそぎ落とせますが、大量にある場合は、2重にゴム手袋をして手で掬い上げてすべて取り除いてください。掬い上げた水あめ状の油は新聞紙に取るかごみ袋に直接入れてください。手ですくえなくなったら洗剤を使ってキレイにしてください。
◆仕上げ
最後にお湯で汚れを洗い流します。
きれいになった部品は水気を拭き取りレンジフード(換気扇)に取り付けていきます。
まとめ
以上がお掃除方法となります。
読むだけでも大変さが伝わると思います。単純にねじを外すだけでも、古い油で固まってしまい回らなくなってしまっていたり、慣れない分解作業にかなりの時間を費やしてしまったりします。
やはり大掃除したくない場所1位の場所ですね。
ご自身ではできないと思う場合は、無理せずにプロのお掃除を依頼するのも良いと思います。
すっきりとしたレンジフードで新年をお迎えくださいませ。