ガムテープはカンタンに貼り付けられる便利なアイテムとして、日常的に使われています。貼るときは便利で良いのですが、上手く剥がれないことが多くて困ってしまいます。しかも貼ってから時間がたっているガムテープは、粘着剤が強く貼り付いていますので確実に跡が残るのが厄介です。
そんな誰もが困ってしまうガムテープの跡について、少しの手間でキレイに剥がせる方法がありますので紹介ていきます。
目次
1.ガムテープ跡をキレイに取る方法
1-1ガラス
1-2プラスチック
1-3木材
1-4壁や壁紙
1-5衣類
2.固まったガムテープ跡の取り方
3.ガムテープをキレイに剥がす方法
まとめ
1.ガムテープ跡をキレイに取る方法
ガムテープは基材と粘着剤の2層構造になっていて、一般的なガムテープの基材は紙か布になっています。ガムテープの基材が残っていたら、作業に入る前に全部取ってしまいます。このようにすると液体がしみこみやすくなり、楽に剥がれるようになります。
残った粘着剤に液剤をかけますが、ガムテープ跡が残っている素材によって、使うアイテムが違ってきます。選択を間違うと色が変わったり、溶けたりするので気を付けてください。
1-1.ガラス(窓ガラスや金属、陶器にも応用できます)
<使用アイテム>
- ・プラスチック製のヘラ(シール剥がし用)
- ・有機溶剤系はく離剤(除光液 ジッポオイル 灯油など)
粘着が残っている素材がガラスや金属、陶器などであれば有機溶剤系のはく離剤が使えます。ジッポオイルなどは、引っ越し業者なども使っていますので安心して使えます。
ガムテープ跡に有機溶剤系のはく離剤をしみ込ませます。有機溶剤系の液剤は揮発性が高く、すぐ乾いてしまうので液体をかけた上にラップをかぶせます。20~30分後、粘着剤が残っている部分を軽く指で触って、ブヨブヨとした感触になったら剥がし時の合図です。
ここからプラスチック製のヘラで剥がす作業に入ります。専用のヘラがない場合は、プラスチック製のカードや定規などを応用してもかまいません。表面のラップをはずし、プラスチック製のヘラで表面に残った粘着剤を削り取ります。
待ち時間を長くすれば粘着剤が十分に剥がれているので、力を入れなくてもカンタンに削り取れます。数回は表面をこすって取り切ってください。はく離剤を古い布切れにしみ込ませて、表面をふき取れば完成です。
1-2.プラスチック
<使用アイテム>
- ・シリコンゴム製のヘラ(シール剥がし用)
- ・水溶液系はく離剤(中性洗剤 酢)
有機溶剤系の液体は、プラスチックの表面を溶かしたり変質させたりするので、水溶液系のはく離剤を使います。中性洗剤の場合は界面活性剤で、酢の場合は酸が作用してガムテープの粘着剤を表面から剥がしてくれます。シール剥がし専用の液剤を使う場合は、プラスチックに使えないものもありますので注意してください。
ガムテープ跡に水溶液系はく離剤を多めに塗りつけ、乾燥を防ぐためにラップをかぶせて粘着剤に浸透させます。30~40分待ってからラップの上から触れて、粘着剤がブヨブヨしていたら剥がし時です。放置時間が長ければ長いほど剥がす作業が楽になります。
プラスチック製のヘラを使って粘着剤をこするとキズが付いてしまうので、シリコンゴム製のヘラを使いましょう。もしプラスチック製のヘラを使うのであれば、先端を古い布切れでカバーしてください。
ちなみにオレンジオイル配合の中性洗剤を使うと、普通の中性洗剤よりもカンタンに剥がせますのでお試しください。
1-3.木材
<使用アイテム>
- ・消しゴム
- ・スチーム洗浄機
木材の場合は、液剤がしみ込んで跡が残る可能性が高いので、気軽にはく離剤は使えません。表面が塗装されていたり、漆が塗られていたりする場合も注意が必要です。はく離剤を使う場合は、目立たない場所を選んでテストをしてから使いましょう。
液体を使うリスクが不安だという方には、消しゴムを使う方法があります。木の表面のダメージをおさえて残った粘着剤をとるには、消しゴムで擦るのが一番効果的です。この方法は擦ってもボロボロにならない素材であれば応用できます。
また粘着剤に高温のスチームを当てて、柔らかくしてから布で擦り取る方法もあります。ただし、木質によっては高温のスチームで変形したり、シミが残ったりする可能性がありますので、事前に目立たない場所を選んでテストしてください。
1-4.壁や壁紙
<使用アイテム>
- ・消しゴム
- ・専用はく離剤(ステッカー剥がし)
壁紙の場合は無理に剥がすのはNGと心得てください。壁紙の材質しだいですが、粘着物といっしょに剥がれてしまう可能性が大きいので、専用のはく離剤を使うのがベターです。「壁の粘着剥がし」や「ステッカーリムーバー」という名前で売られています。
ただし、壁紙の材質によってはダメージを受ける場合がありますので、事前にチェックしてから使ってください。
壁の場合は材質によって落とし方が変わります。壁材が木の場合でシミが残っても気にならないのであれば、有機溶剤系のはく離剤が使えます。表面がプラスチック系の壁材は、有機溶剤系のはく離剤で溶けてしまうので使わないでください。土壁の場合はカッターサンドペーパーを使って、表面を削り落とす方法を用います。
壁紙や壁についたガムテープ跡を取るためには、高度なテクニックが必要です。失敗するリスクもあるので、とくに賃貸住宅の場合はプロにお願いしてください。
1-5.衣服
<使用アイテム>
- ・ガムテープ
- ・中性洗剤
- ・消しゴム
- ・アルコール
衣料品の場合は、繊維のすきまに粘着剤が入り込んで、取れにくくなってしまいます。無理な取り方をすると、生地を傷める可能性がありますので慎重に扱ってください。
柔らかい生地の場合は、ガムテープを使って粘着剤を取ります。紙製のガムテープでは粘着力が弱いので、布製のガムテープを使います。まずは粘着物を取れやすくするため、ドライヤーで温めておきましょう。そして生地についている粘着剤を、上から布製ガムテープで軽くたたきます。粘着剤を引き剥がすイメージで行ってください。
粘着剤が少なくなった段階で、中性洗剤をしみ込ませて数分放置してください。ぬるま湯を使ってもみ洗いして、粘着剤が溶け落ちれば無事終了です。
デニムや革などの硬い生地であれば、消しゴムを使ってこすり取れます。ただし、色落ちや表面のダメージに注意してください。
ガムテープはゴム系の粘着剤ですので、アルコールで硬化させると取れやすくなります。しかしアルコールで生地が色落ちする可能性がありますので、目立たない場所でテストしてから使ってください。
衣類はダメージを受けやすいので、対処を間違うと取り返しがつきません。自分で取れない場合はクリーニング店にお任せしましょう。
2.固まったガムテープ跡の取り方
長時間貼られているガムテープは、粘着剤が緩くなり非常に取りにくくなります。さらに放置すると粘着剤が固まってしまい、有機溶剤系のはく離剤もしみ込まなくなるので、普通のやり方では歯が立ちません。
しかしスチーム洗浄機で熱をかけると、軟化して取れやすくなる場合があります。それでもダメなときは、超強力なシール剥がし剤をホームセンターで買って試してください。ただし下地の素材が限定されますので、事前のチェックが必要です。
3.ガムテープをキレイに剥がす方法
ガムテープ跡の取り方を説明してきましたが、ガムテープの跡を残さないで剥がせれば、こんな苦労をする必要もありません。剥がし方にコツがありますが、一度覚えてしまえばカンタンに剥がせるようになります。
熱を加えるとガムテープの粘着力は弱くなります。粘着剤はゴム系の素材ですから、熱によって分子間のつながりが緩くなり、お互いに引っ張り合う力が弱まります。この原理をもとに、ドライヤーで粘着剤に熱を与えれば、キレイにガムテープを剥がせるのです。
最初はガムテープの角を温めて、剥がすきっかけを作ります。ドライヤーを近づけ過ぎると、熱で粘着剤が溶けてしまうので気を付けてください。端からゆっくり慎重に剥がします。熱で変形する下地の場合は、熱くなりすぎないようにしてください。
画像のように、貼られたガムテープに対して45度の角度で引っ張ります。貼られた面と剥がしたガムテープの角度は、30~60度に保ちます。この角度の範囲内であれば粘着力が弱まりますので、できるだけキープしてください。
ガムテープを剥がすときは、焦らずゆっくり行うのがポイントです。ここで失敗するとめんどうな後始末が待ち構えていますので、慎重に対応してください。
まとめ
残ると頑固で取るのがめんどうなガムテープ跡ですが、ポイントさえ覚えてしまえばカンタンに除去できます。
- ・粘着剤が貼り付いた材質にあわせて剥がすアイテムを選ぶ。
- ・シミが残ったり色が落ちる素材は事前のテストで確かめる。
- ・粘着剤は温めると取れやすくなる。
- ・跡を残さずにガムテープを剥がす。
- ・無理な場合はプロにお願いする。
- ・ガムテープはできる限り早く剥がし、貼ったまま放置しない。
貼ったことを忘れて時間が経つと、ガムテープはますます取りにくくなります。跡が残るリスクがありますので、早めに剥がしましょう。