食洗機は食器を洗浄するものなので、食洗機自体の掃除をする必要はないとお考えではありませんか?残菜フィルターのゴミを取り、表面を拭くだけでは、いつの間にかヒドイ汚れが蓄積されていることもあります。
ここでは食洗機の掃除方法についてご紹介いたします。
「食洗機が汚れてきたかも…。」という方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.食洗機の汚れの種類
2.食洗機が汚れる理由
3.食洗機のお手入れ場所と方法
4.白っぽい汚れにはクエン酸を
まとめ
1.食洗機の汚れの種類
食器洗いから開放される食洗機は、主婦の強い味方です。掃除機や洗濯機同様、もはや手放せない家電の一つという方も多いのではないでしょうか?
汚れた食器と洗剤を入れると、泡とお湯で汚れを落とし、乾燥までしてくれるという優れものです。同時に食洗機の庫内も泡やお湯で洗浄され、乾燥されて仕上がります。
ですが、何週間か経ってよく見ると、庫内が汚れていることに気がつきます。
実際に、どんな汚れが付着するのでしょうか?
1―1.白っぽい汚れ
粉をふいたような白っぽい汚れがつき、場所によっては白い粉がカビカビに固まって張り付いているということがあります。
粉の洗剤を利用している場合、粉が上手く溶けていないのかも?と思われるかもしれませんが、液体洗剤を利用していても同じことが起こります。
白っぽい汚れの正体は、水垢と石鹸カスです。
1-2.黄色っぽい汚れ
黄色く粘り着くような汚れは油汚れです。庫内の底面や残菜フィルター周りにつきやすく、一度ついてしまうと、お手入れをしない限りはどんどん増えてしまいます。そのままにしておくと、黒く変色してしまうこともあります。
1-3.ピンク色の汚れ
ピンク色でヌメリのある汚れは、ロドトルラという酵母菌の一種です。石鹸カスや残菜を栄養源に成長していきます。
2. 食洗機が汚れる理由
食洗機の汚れで多いのが、白っぽくなる水垢と石鹸カス汚れと、黄色く粘りのある油汚れです。
2-1.水垢と石鹸カス汚れが付着する理由
水垢は、水道水のカルシウムやミネラル、塩素が沈殿したものであり、蛇口の根元やシンクにもよく付着します。
食洗機の庫内だけでなく、食器にも同じように付着し、洗ったはずのグラスが白くくすんでいると感じることもあるでしょう。
食洗機を利用すると、手洗いの時よりも水垢によるくすみを感じるのは、食洗機の乾燥機能に理由があります。乾燥機能はたいへん高温なので、水分が素早くとることができますが、同時にカルシウムやミネラル、塩素が凝縮され、付着しやすくなります。
石鹸カスは、食洗機を利用した際に使い切れなかった石鹸が食洗機内に残ったためです。また、粉状の洗剤はジェル状のものより溶けにくく、残ってしまう場合があります。
石鹸カスが酷くなると、ピンクのヌメリや黒カビの原因となるため、要注意です。
2-2.黄色く粘りのある油汚れが付着する理由
食洗機に油汚れが付着するのは、洗浄後も庫内に油が残っているためです。通常なら、食器の汚れと共に油汚れも流れていくはずですが、どうして残ってしまうのでしょうか?
それは洗剤の使い方に問題があるためです。
◆食器の量に対して、洗剤が少ない
ヒドイ汚れや食器の量が多いのに、洗剤の量を少なめにしていると、当然、汚れをキレイに落とすことはできません。
手洗いなら、泡立ちが悪くなるといつでも洗剤を追加することができますが、食洗機の場合は、途中で確認することができないため、そのまま洗い終えてしまいます。
洗剤の量は、食器の量や汚れに合わせて増減しなくてはいけません。いつも同じ量を入れる、または、節約のため少な目にしているという方は、慢性的に汚れが流せず庫内が汚れやすい状態といえます。
◆石鹸系の洗剤・重曹を使っている
合成洗剤ではなく、石鹸系の洗剤を利用している場合にも油汚れが残りやすいです。石鹸成分と油汚れがくっつくことで灰色のヌルヌル汚れが溜まりがちになります。また重曹にも同じことがいえ、食洗機のメーカーによっては、重曹の利用を禁止しているものもあります。
油汚れには、石鹸洗剤よりも合成洗剤をおすすめします。
3.食洗機のお手入れ場所
食洗機の掃除をする時、どの部分をキレイにしていますか?
残菜フィルターを気が向いた時にすすいでいるだけでは、どんどん汚れてしまうので、お手入れ場所をチェックしましょう。
3-1.残菜フィルター
食器に付着した食品が溜め、そのまま流れてしまわないようにする場所です。
食洗機を使い終わった後は、毎回ゴミを取り除くようにしましょう。
細かな汚れや油がこびりついているとフィルターが目詰まりを起こし、充分に洗えなくなり、ニオイもします。
フィルターは柔らかいブラシで丁寧に掃除しましょう。
残菜フィルターを取外し、その下にも残菜がないかチェックしましょう。
3-2.庫内
まずは、どの程度汚れているのかチェックします。
油汚れが気になる時は、食洗機を動かす前に、油の塊をこすり落とすようにします。
割りばしにキッチンペーパーを巻き、輪ゴムで固定したものを用意し、ゴシゴシと擦ってみるとよいでしょう。
目につく汚れを落としたら、食洗機を動かし、庫内の清掃を行います。食器を入れずに食洗機専用洗剤を通常の2倍投入し、「お手入れ」コースや「念入り」コースを選びましょう。
この時、油汚れが気になるからといって、油汚れに強い台所用洗剤を利用してはいけません。泡が発生しすぎて、泡が溢れ出たり、水が噴射できなくなったりと、食洗機を故障させる原因となります。
また、重曹も利用してはいけません。洗剤よりもナチュラルで安心な重曹を利用したいという気持ちは分かりますが、食洗機に使うと上手く溶けず残りやすいです。ガチガチに固まった重曹は、食洗機の故障の原因となるため、メーカーによっては利用を禁止しているところもあります。重曹のラベルに「食洗機にも」と書かれていても、使用しない方がよいでしょう。
庫内をお手入れしても、水垢や石鹸カスによる白っぽい汚れが気になる場合は、クエン酸によるお手入れもおすすめです。(詳しくは下段4.白っぽい汚れにはクエン酸を)
3-3.ノズルのお手入れ
庫内でくるくる回っているノズルも、定期的にお手入れをする必要があります。ノズルに汚れが詰まると洗浄力が落ちてしまうので、定期的に取外し、チェックしましょう。取外し方は、説明書で確認しましょう。
3-4.本体のお手入れ
食洗機のドアや枠、タンクのふちなどを拭きましょう。飛び散った水や粉状の洗剤などは、放置しているとシミや塊となり、なかなか落ちなくなってしまいます。
細かい隙間などは、綿棒などで汚れを掻き出しましょう。パッキンにカビがある場合は、漂白剤を湿らせた布で拭き、しばらくしてから流すとよいでしょう。
4.汚れが溜まった時はクエン酸を
食洗機のお手入れを定期的にしていても、白っぽい汚れがついてしまうという時は、クエン酸がおすすめです。
食洗機の白い汚れの原因は、水垢や石鹸カスであり、アルカリ性です。
クエン酸は酸性なので、アルカリ性の汚れを中和することでキレイに落とすことが可能です。
◆クエン酸を使った食洗機のお手入れ方法
1.食洗機を空にする
2.クエン酸をスプーン3杯いれる
3.スタートボタンをおす
たったのこれだけです。クエン酸は重曹よりも水に溶けやすいため、粉が残ってこびりつく心配もありません。コースはできるだけ長時間のものを選びましょう。
クエン酸には、消臭・抗菌効果もあるため、食洗機のお手入れピッタリです。
ただし、メーカーによっては利用を禁止しているものもありますので、必ず説明書をチェックするようにしましょう。
まとめ
汚れた食器を洗ってくれる食洗機はたいへん便利で、難しいお手入れもありません。とはいえ、そのまま何もしないでは、汚れ落ちが悪くなるだけでなく、衛生面の心配もあります。
家族のためにも、食洗機をキレイに保ち、洗浄力もキープしましょう。