風向きによって快適さはもちろん節電対策にもなるエアコンで重要な機能「風向」

風向きによって快適さはもちろん節電対策にもなるエアコンで重要な機能「風向」

エアコンの機能でメーカー問わず、どのグレードの機種にでもついている風向ですが、実はメーカーとグレードによって最も大きく変わる機能の一つなのです。

特に近年はお掃除機能付きエアコンが販売されだして、約20年経ちすでに付いていて当たり前の機能となってきているため、各メーカーがどの機能で差別化をしようとしています。その機能がAIですがそのAIが最も有効に力を発揮するのが気流制御つまり風向です。

各メーカーがエアコンから出る気流について研究し様々な気流を作れる風向を開発しています。特に近年はAI機能と連動させ、人がいる場所を特定して快適になるよう風を出すだけではなく、設置されている家具を検知し、最適な気流で快適な空間になるよう工夫されている機種も販売されています。


【目次】

1.風向って重要なの

2.ルーバーとフラップの違い

3.各メーカー様の最新技術(風向)

まとめ


1.風向って重要なの

1-1.古くからある機能

オフィスなどで、直接風が当たらないように、エアコンの吹き出し口についている後付けのパーツは20年以上前から販売されているほどエアコンを使用する時に重要です。また同時期にはダイキンが出したエアコンのリモコンについている謎ボタンといわれた「風ないス」も登場しています。

使い始めはいいのですが、夏場のエアコンは室内やオフィスなどでずっとエアコンの風が当たっていると寒すぎて不快に感じてしまうのでしょう。また暖房使用時は、ただでさえ乾燥しているのに直接かぜが当たると余計に乾燥して嫌だと感じる方が多く、ダイキンの調べでは約40%もの方が、暖房の風が不快に感じている方はいます。

しかも暖かい空気は部屋の上部に溜まり、冷たい空気は下に溜まりがちですので、エアコンを使って快適に生活するためには、風向は非常に重要な機能です。

どのエアコンにもリモコンで上下に動かせるルーバーはついており、左右に動くルーバーは手動タイプとリモコンで動かすタイプの2種類あります。ただルーバーの構造上可動範囲が限られているため、グレードの高い機種になると、ルーバーの枚数が増え、ほしい場所に風が来るようにできる機種も増えていきます。


1-2.ルーバーとフラップの違い

フラップは飛行機の翼についている上下に動く羽根やポケットの垂れ蓋が本来の意味です。ルーバーは、羽板と呼ばれる細長い板を、枠組みに隙間をあけて平行に組んだもので、羽板の取り付け角度によって、風・雨・光・埃・視界などを、選択的に遮断したり透過したりすることができるものを指します。

メーカーによってはフラップを上下に動く水平の羽根、ルーバーを左右に動く垂直の羽根に分けていますが、大きな違いはなくルーバー=フラップ=風向を調整する板と考えてください。


ハウスクリーニング

2.各メーカーの風向技術

・ダイキン

冷房時に天井に気流を沿わせることで、部屋全体に気流を循環させる『サーキュレーション気流』と、暖房時は壁に沿って気流が噴き出す仕組みをつくり、床に当たった時に気流が上昇せず床を這わせて足もとから暖める『垂直気流』を開発しています。またエアコンで吸水せずとも加湿できる暖房「うるおい加湿」も特徴です。


・パナソニック

2017年に経済産業大臣賞を受賞した「ダブル温度・同時吹き分け気流システム」ですが、ひとつの熱交換器内部で上部を高温度にし、下部の温度は中温度と変えて、吹き出し口の上部から中温風、下部から高温風温度の異なる風を、ルーバー4枚使うことによって別々に出すことで、個人の快適に合わせた気流を作り出せるようになったのです。

ダイキンの「うるさら」、三菱電機の「霧ヶ峰」エオリアという名前も付きました。


・三菱電機

従来のクロスフローファンから全く新しいパーソナルツインフローファン®を搭載したエアコンを販売「暑がりさんも寒がりさんも霧ヶ峰」のCMでお馴染みかもしれません。

2つのプロペラファンが独立して動くので全く違う気流で、常に風に当たっていたい人も、風に当たるのが嫌な人も快適に一緒に過ごせる画期的な作りになっています。また未稼働時は真四角なエアコンですので、形も今までにない形になっています。


・日立

凍結洗浄機能というフィルター自動洗浄機能とは別のお掃除機能付きエアコンを販売している日立ですが、ルーバーが最大6枚に分かれている機種を販売しています。それぞれのルーバーが独自に動くため、暖房時は包み込むように温めたり、足元をピンポイントで風を送ったりすることができます。


・富士通

パワーディフューザー®という分厚いルーバーを設置することによって、冷房は水平に風を出し、暖房は垂直に風を出して部屋全体を快適な温度にしていましたが、更にエアコンの左右それぞれにサーキュレーターを搭載した。デュアルブラスター®機能のエアコンです。可動域は90℃あり垂直に風を出すことも水平に風を出すことが可能で、従来の機能をアシストしてくれます。また独自に稼働できるので、稼働直後などすぐに冷たく感じたいときはデュアルブラスターの風を直接体にあて、自然な涼しさを受けつつ部屋全体を冷やすことができます。


・シャープ

10年以上から上下両開きの大きな気流パネルが特徴です。上下に開く大きなパネル(ルーバー)が風の抵抗を少なくした送風路の形状で、よりスムーズに風を送り出し、ロケットのノズルと同じような原理で、風の圧力を高め、力強く押し出すことによって、天井や床面に沿って、遠くまで風が届くように設計されています。


・東芝

上下、左右、上下左右同時に動かせる大きなルーバーとAIで足元をピンポイントで温める事も、部屋全体を温めることも、人がいない場所に風を出すことも可能にしています。

更に冷房では、第3のルーバーが風をカットし、冷気だけを出すようにし、風を出さずに部屋全体を冷やすこともできます。


まとめ

各メーカーの特徴を見ますと、冷房は天井を這うように風を出し壁に当たって、下に冷気が行くような仕組みで、暖房は、壁に沿って暖気を出し、床を這うよう風が吹くような仕組みを開発していると考えられます。これは、暖かい空気は上昇する特性を考慮し冷風は天井に這わせ、温風は床に這わせるような風の出し方を工夫しています。

また人感センサーとAIを使うと、人がいる場所に直接当てる場合と、人がいない場所に風を出すのかを調整している機種が多いと思われます。

その中でも、エアコン本体のサイドにそれぞれサーキュレーターを付けたデュアルブラスターを搭載した富士通ゼネラルの「ノクリアXシリーズ」と、従来のクロスフローファンではなく、エアコン上部に独立駆動する2つのプロペラをファンにしたパーソナルツインフローを搭載した三菱電機の「霧ヶ峰FZシリーズ」は、他のメーカーと比べると、ルーバー以外で気流を出して、快適な空間にできるので差が出ると思います。


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