お掃除のコツ 汚れの段階と効率のいい汚れの落とし方

お掃除のコツ 汚れの段階と効率のいい汚れの落とし方

普段の生活の中で何気なく目にする汚れ「これぐらいはまだ大丈夫だろう」「面倒だな」と思ってついつい見て見ぬふりをしてしまうこともあると思います。

この放置してしまった汚れがどうなるかというと、何もしなくても汚れは日々少しずつ成長していってしまい、時間が経てば経つほど汚れと汚れが付いている場所との結びつきが強くなり、落ちにくい汚れへと成長していってしまうのです。


目次

1.汚れの原因、ホコリとは何?
2.汚れの進行段階
3.汚れを効率よく落とすには
∟3-1.汚れを落とす4つの要素 その① 洗浄力
∟3-2.汚れを落とす4つの要素 その② 物理力
∟3-3.汚れを落とす4つの要素 その③ 時間
∟3-4.汚れを落とす4つの要素 その④ 温度
4.洗剤・お掃除道具の選び方
まとめ


 1.汚れの原因、ホコリとは何?

 

家の中の代表的な汚れと言えばホコリといえるでしょう。

例えば電灯の傘部分につくホコリですが、取り付けてすぐは何も汚れていない状態です。しかし数日も経つとうっすらとホコリが傘に付きはじめ、数週間も経てば目視できるぐらいホコリが溜まってしまいます。更に時間が経ち積もっている状態ですと、1回拭くだけではすべての汚れは取れないほど汚れている状態になっています。

これはホコリの上にホコリが積み重なっている状態で、更に放置してしまうと、ホコリに厚み出てきます。これは見た目ではホコリだけが積み重なったように見えますが、実はホコリには繊維のくずや髪の毛、ダニの死骸や細菌などが含まれた状態です。これを放置しておくとアレルギーの原因にもなります。

またキッチンの場合は、ホコリとホコリの間に油分や水分が入り、時間が経てば経つほど粘着質な汚れに変化していきます。油汚れの色も酸化して黄色から茶色に変色していき落としづらい油汚れになっていきます。油分、水分以外にも他の汚れとホコリが混ざったりする事で時間が経てば経つほど汚れを落とす事が困難になってしまうのです。

ホコリ以外も汚れが時間とともに浸透していきますので、同じように落としづらい汚れへと成長してしまいます。


2.汚れの進行段階

 

汚れの進行具合や段階は【付着→吸着→粘着→染着」と表現できます。

・付着… 分子間の引力や静電気的により、洗浄物に乗っている状態

     ⇒簡単に言えば汚れが付いてすぐの状態です。調理直後のキッチンや入浴後すぐの浴室の汚れの状態です。この段階であれば、雑巾の乾拭きやハンディワイパー、掃除機などで簡単に汚れを落とせます。

 

・吸着… 付着の状態から、空気中の油分や水分が混ざった状態

     ⇒場所にもよりますが、1週間~1ヶ月程度掃除をしていない状態です。水拭きや中性洗剤を使用して拭き取ります。普段のお掃除の場合、この段階の汚れぐらいまででしたら、それほど苦労することなく取ることができます。

・粘着… 汚れが化学変化し、洗浄物に浸透した状態

     ⇒アルカリ性洗剤や酸性洗剤など、汚れにあった洗剤を選びお掃除する必要があります。このレベルになるとご家庭で汚れを落とすことが難しくなってきます。ハウスクリーニング業者やお掃除に慣れている人である程度専門の洗剤や道具でないと太刀打ちできないレベルの汚れです。あまりにも酷い汚れだとハウスクリーニング業者でも落とせないこともあります。

・染着… 浸透が進み洗浄物に汚れが絡みついた状態。目に見えない凹凸に入り込んだり、建材と一体化しかけてる状態です。

     ⇒研磨剤で物理的に削り取るか、洗剤を汚れに深く浸透させる必要があります。ただし洗剤の浸透力にも限界があるので、完全に落としきれない可能性があります。どうしても見た目が気になる場合はリフォームかリペアを検討することが必要となります。

汚れの段階が進行するにつれて、強力な洗剤や特殊な清掃用具が必要となり、汚れを削り取るようなことにもなります。結果的に壁や塗装部分など建材を痛める可能性が大きくなります。汚れは放置せずに早めにお掃除することが一番良いのです。


3.汚れを効率よく落とすには

 

汚れは放置せずに掃除するのが良いというのはご理解いただけたと思いますが、そうはいってもすでに汚れがたまってしまっているということがあると思います。では溜まってしまった汚れをどうすればよいのかについてご紹介いたします。

汚れを落とすためには、洗剤を使ったり、ブラシやスポンジを使い擦ったりするのが一般的ですが、実は汚れを落とすためには洗剤の力を使う【洗浄力】やブラシやスポンジを使ってゴシゴシ擦るような【物理力】を含めて4つの要素があります。その4要素を使いこなすことで、汚れを効率よく落とすことができます。どれか一つのやり方に固執してしまうと様々なリスクがありますので、そのコツをご紹介していきます。


3-1.汚れを落とす4つの要素 その① 洗浄力

洗剤には以下のような種類があります。界面活性剤・アルカリ剤・酸・溶剤・助剤。これらが入った洗剤の力で汚れを落とします。

洗剤を使って汚れを落とす事は、ご家庭でも一般的な事だと思います。

洗剤の分類の方法は様々ですが、よくある方法としてpHで分ける事があります。

(pHとは水溶液の性質を知るために必要な単位で化学的にいうと、pH は溶液中の水素イオン濃度 〔H+〕の量を表しています。酸性かアルカリ性かを見分ける数字になります。)

アルカリ洗剤は油汚れ、酸性洗剤は水垢や石鹸カスなどに効き、中性洗剤は界面活性剤の効力により軽度の汚れに作用します。極端に言ってしまうと、家の中の汚れは、万能洗剤(ほとんどがアルカリ性)と酸性洗剤、カビ取り剤の3種類でほとんど取ることができます。

洗剤の濃度はその洗剤ごとに適した濃度があります。原液で使う洗剤を希釈する(薄める)と洗浄力が落ちます。逆に希釈して使う洗剤を原液で使うと強力すぎて、素材そのものを傷めてしまう可能性が高くなります。使用方法をしっかり確認し使用用途に合わせて使うことが重要となります。


3-2.汚れを落とす4つの要素 その② 物理力

ブラシやスポンジなどの道具を使って汚れを擦り、はぎ取る行為です。掃除機やはたきも物理力ですので、掃除の一般的な方法の一つです。改めて物理力と聞くと単純に力を込めてゴシゴシ擦ることをイメージしてしまうかもしれません。

力を込める以外にもこの物理的な力を強める方法はあります。硬い道具ほど物理力は大きく、柔らかいほど小さくなります。使用するスポンジやブラシを硬いものにする事により物理力を高めることができます。

焦げ付きを落とすために金たわしを使用するようなイメージとなります。掃除をする場所の素材より硬いものを使用すると傷がつく原因となりますので注意が必要となります。

五徳の焦げ付き、固まった水垢や尿石を鉄製の道具などより硬いもので削り落とすのもこの物理力を利用している例の1つです。鉄製の道具を使用すると素材には確実に傷がつきますので、洗剤である程度柔らかくしてから樹脂製のツールを使うほうが安全なお掃除方法です。傷がついてしまうとのちに汚れが付着する原因となります。なかなか落ちない汚れは、プロに相談してみるのも一つの方法です。


3-3.汚れを落とす4つの要素 その③ 時間

洗剤を汚れた部分にかけ、汚れに洗剤の効果が作用するまでそのままの状態で一定時間経過させる方法です。洗剤をかけた直後から作用は開始します。洗剤をかけて一定時間経過させることにより、効果的に洗剤の力が発揮されます。 

長時間放置すると、洗浄物が変色・変質してしまうリスクが伴います。まずは目立たない場所で試すか、放置時間を短くして少しずつ試しながら行ってください。特にアルミ・アクリルに対してのアルカリ性洗剤は、短時間でも変色・変質するリスクがあります。漬け置き洗いも、同様の方法であり、長時間漬けておく方が洗剤の作用が進み、汚れが落ちやすくなります。

特に時間の要素を必要とする汚れがカビです。カビにはカビハイターなどの塩素系洗剤が有効なのですが、この塩素系洗剤がカビ(特に目地やパッキンの中のカビ)に浸透して効果を及ぼすのには時間がかかります。

液状の洗剤をかけただけですと乾燥してしまいますので、長時間置いておく場合はラップなどで保湿をし乾燥を防いでください。

「汚れが頑固になる」場合も時間の要素が影響しています。コンロ周りの油汚れも、調理直後ならば比較的落としやすいですが、時間が経過してしまうと、汚れが浸透してしまい、落とすのが難しくなってしまいます。


3-4.汚れを落とす4つの要素 その④ 温度

汚れを温めたり、冷やしたりすると汚れが落ちやすくなる効果があります。

一般的に多くの洗剤は50℃前後で最も効果を発揮すると言われています。50℃までは温度を10℃上げると洗浄効果が2倍になると言われています。

この「温度が洗浄に影響する」ことを覚えておけば、汚れが落ちづらい場合に、水の温度を上げて対応するなどの方法が取れます。スチームクリーナーは、この温度の力を使い蒸気の力で汚れを落とす清掃用具です。

例えばハウスクリーニングのやり方の一例として、レンジフードのシロッコファンや五徳の漬け置き洗いをする時、お湯を使うだけではなく、さらにお湯の温度を一定に保つため保温ヒーターなど使います。

冬場のレンジフードは、油が固まってしまい汚れが落ちにくくなっていますが、ドライヤーなどで汚れを温めると、汚れが落ちやすくなります。

チューインガムは、温めるのではなく冷やすと硬化し粘着力がなくなりますので、簡単に落とす事ができます。

 

洗浄力・物理力・時間・温度の中のいずれか一つだけを使うのではなく、バランスよく組み合わせると汚れが落としやすくなります。

現状お使いの洗剤の効果が弱いと思われるのであれば、時間を置いたり、温めたりする事によって洗浄効果が大きくなる場合もあります。


4.洗剤・お掃除道具の選び方

洗剤やお掃除道具は、素材へのダメージを考慮しながら柔らかいもの・優しいものから使用していくのが基本です。

・油汚れ用の洗剤

中性洗剤 → 弱アルカリ性洗剤 → 強アルカリ性洗剤

・水垢・石鹸カス用の洗剤

中性洗剤 → 弱酸性洗剤 → 強酸性洗剤

・お掃除道具の使用順番 

タオル → 柔らかいスポンジ → マイクロファイバークロス → ナイロンスポンジ → 金タワシ(※ほとんどの素材に傷がつきます。)

・洗剤使用方法

お掃除道具に洗剤を吹き付け対象物に塗る → 対象物を水で濡らして(水養生)から対象物に直接洗剤を吹きつける → 対象物全体に直接洗剤を吹き付ける

※洗剤を吹き付けた後に長時間放置して乾燥させてしまうと跡が残ってしまう場合があるのでご注意ください。


まとめ

汚れの原因を理解し、その対処方法を理解することにより、より効率よく、より効果の期待できるお掃除ができるようになります。今日からのお掃除にぜひ役立ててください。

太刀打ちできない汚れに出会った際には、プロのお掃除を依頼するのもよいかもしれません。

 

 
ねこかぞく
 
ハウスクリーニング
 
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