エアコンの除湿/ドライを使って快適に過ごそう

エアコンの除湿/ドライを使って快適に過ごそう

一昔前と比べ最高気温も上昇し、猛暑日が続くことがあります。2019年は長梅雨で7月は最高気温もあまり高くありませんでしたが、8月に入ると猛暑日が連日続き、家にいる間は常にエアコンをつけっぱなしにしたり、ついついエアコンの設定温度を低くしたりとしてしまいがちだったのではないでしょうか。

あまりエアコンを使いすぎると部屋を出た時の寒暖差や冷え過ぎで、体調不良になってしまったこともあると思います。

今回はエアコンの「除湿/ドライ」について徹底解説していきます。


目次

1.冷房の基本的な仕組み
2.どのエアコンにもついている除湿/ドライ
2-1.湿度と除湿
2-2.冷房運転と除湿/ドライ運転の違い
3.除湿/ドライにも種類がある
3-1.弱冷房除湿ではない除湿とは
3-2.再熱除湿
3-3.再熱除湿機能付きエアコンの見分け方
4.再熱除湿機能搭載のメーカーと機能名
まとめ

1.冷房の基本的な仕組み

最初に、エアコンで冷風がでる仕組みを簡単に説明しておきましょう。


エアコンは基本的に室内機と室外機の2つで1セットになります。(マルチエアコンといわれるエアコンは、複数の室内機に対して室外機1台というのもあります)

冷房運転時は室内機から冷たい風が出てきますが、外にある室外機からは暖かい風が出ています。これは室内機と室外機を繋いでいるパイプの中に冷媒ガスが巡回しファンの力で風を出し、熱交換器を通ることによって冷たかったり暖かかったりします。

ではどんな仕組みかと言うと、電源を入れると室外機で低温の液体になった冷媒ガスが、室内機に運ばれて熱交換器(フィルターを取り外したときに見える銀色部分)を冷やします。同時に室内機でファンが回転し部屋の中の空気を吸い込み、冷えた熱交換器に空気が触れることによって、部屋の中の空気が持っている熱交換機奪われ、冷たくなった空気がファンを通して再び部屋の中に吹き出します。

熱交換器を通して部屋の中の空気の熱を吸収し、温められた冷媒は室外機に戻って熱交換器を通過する際、冷却されるため室外機の正面から暖かい空気が放出されます。冷房を使っていると室外機から暖かい風が出てくるのは、冷媒の熱が放出されているからなのです。冷房運転をしている時は、室内機が冷房運転をしていて、室外機が暖房運転をしています。暖房運転の場合は、室内機と室外機の役割が逆転すると考えてください。

役割を逆転させるための機能や、部屋の空気で室内機の熱交換器を温め、部屋の空気よりはるかに熱い外の空気で、室外機の熱交換器を冷やすことができるのは、室外機に圧縮機や膨張弁、四路切換弁などがあるためなのですが、より難しい話になりますので、詳しく知りたい方は、各エアコンメーカーのHPを見ていただけるとわかりやすいと思います。


2.どのエアコンにもついている除湿/ドライ

2-1.湿度と除湿

「除湿/ドライ」運転は、空気中の水分をコントロールする機能です。夏場で湿度が高い日はジメジメして不快ですよね。ただ冬場は同じくらい湿度が高くてもあまり不快に感じないのはなぜか。それは塩や砂糖が水に溶ける量が決まっているように、空気が含むことができる水分の量もきまっているのですが、どれだけ含めるかは温度によって変わります。

この水分量は気温が高いほど空気は多量の水を含むことができます。これを「飽和水蒸気量」といい、夏場にジメジメと大気中の湿度が高まるのはこのためです。

また冬の洗濯物が乾かないのは、気温が低い理由以外に、衣類に含まれる水分が蒸発しようとしても、気温が低く空気が水分を含めないからも理由の一つです。


2-2.冷房運転と除湿/ドライ運転の違い

除湿機能はこの飽和水蒸気量を利用しています。気温が低下によってそれまで含んでいた水分を保てなくなり、これが室内機の熱交換器の表面に集まって結露することで、室内の湿度を低下させるのが除湿機能です。冬場に暖房を使っていると窓が結露するのは、同じ理屈で外気と室内の気温が違うので起きる現象です。空気中から取り出した水分は、ドレンパンとドレンホースを通って外に排水されます。

エアコンで冷房運転を行うということは、部屋の中の空気の温度を下げるということですから、空気中の水分も自然に減ってしまいます。つまり、冷房運転中は同時に除湿も行われるのです。実際、一般的なエアコンの除湿機能は「弱冷房除湿」と呼ばれる運転モードです。冷房運転は、「室温を設定温度まで下げる」ための運転モードですが、冷房除湿は、「湿度を下げる」ため、微弱な冷房を続ける運転モードなのです。

また、弱冷房除湿の場合、ファンの回転を上げ風量を強く事もなく、モーターの回転が低い状態で保たれる上に、温度設定が可能な場合、設定温度付近になれば自動的にモーターを停止させるので、通常の冷房運転に比べて消費電力も抑えられるので経済的でした。


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3.除湿/ドライにも種類がある

3-1.弱冷房除湿ではない除湿とは

弱冷房除湿は、一応冷房のため気温が低い状態では動かない場合もあります。多い例として梅雨時などのあまり気温が高くないけどジメジメしているので除湿しようとしても、室温が外気より高い状態では冷房運転そのものができません。また、除湿を使う冷風が出るので嫌だという方もいます。

そこで生まれたのが「再熱除湿」です。実は20年以上前からある機能なのですが、技術的に難しく、電気代が上がるというデメリットもあるので、開発していないメーカーや機能が付いていない機種もあります。


3-2.再熱除湿

物凄く簡単に再熱除湿を説明すると、除湿して温度の下がった空気を室内機の中で「室内の温度に近い温度まで温める」ということをしてから部屋に空気をもどしています。ものすごく乱暴な言い方をすると、冷房を使いながら暖房も使うようなことをしています。

部屋の温度に近くなった空気が室内に戻すため、寒さを感じることなく除湿を行い、快適に過ごすことができるということになります。


3-3.再熱除湿機能付きエアコンの見分け方

再熱除湿機能が付いているかは、高機能機種か、再熱除湿機能を出しているメーカーか、そして「リモコンの表示を見る」ことをおすすめします。

高機能機種かどうかは、値段で把握してください。68畳用で10万円以上のエアコンは、まちがいなく高機能機種です。再熱除湿機能付きを販売していないメーカーもあるので、各メーカーの表示もお伝えします。

リモコンの表示に「除湿」または「ドライ」が、2種類以上あるものは再熱除湿が付いています。


4.再熱除湿機能搭載のメーカーと機能名

ダイキン「さらら除湿」、日立「カラッと除湿」、三菱電機「さらっと除湿」、コロナ「再熱除湿」、富士通ゼネラル「再熱除湿モード」この5社が再熱除湿機能付きのエアコンを販売しています。

東芝には「選べる除湿」というのがあり、再熱除湿機能を導入していますが、再熱除湿と弱冷房除湿を区別した記載はありません。

その他有名なエアコンメーカーのパナソニック「快適除湿」ですが、現在は再熱除湿機能が付いたエアコンは販売しておらず、メーカーのHP上にも「再熱除湿ではありません」と明記されています。またシャープは再熱除湿機能付きエアコンの販売はしていません。


まとめ

今回は除湿/ドライ機能を中心に解説していきました。

エアコンはかなりの高額ですし、買った後に専門の業者に頼んで設置工事しなければならないので、気に入らないからとすぐに買い替えられるものではありません。値段と相談しながら機能をよく理解してエアコンを選んでください。

機能が付けばつくほど高額になっていきますが、快適に過ごすため設置する場所と使用頻度を検討して選ぶといいでしょう。


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